まふまふやAdoのMVイラスト手がける寺田てら、松屋銀座で個展 「私の絵柄は、もう古い」と語った真意と覚悟
私の絵柄は、古い──“寺田てら”を更新するために取り入れた“青”
ジャンルを横断して様々なアートワークを担当し、楽曲のMVでも現在進行形で存在感を放つ寺田てらさん。しかし、イラストレーターとしては「自分の絵柄もちょっとずつ、古くなっている」と話す。 “ポップかつダーク”と評される寺田てらさんの作風は、すでに多くのフォロワーを生んでいる。真似して描いてくれる人の存在を「嬉しい」とする一方で、そうした自身の作風が広がることに対して“古くなっている”と感じてしまう。 「自分で描いているときはわからないんですけど、客観的に見ると古さを感じてしまって。自分自身、柔軟性がなくなっているような。だからこそ個展の描き下ろし作品では、新しさを意識しました」 そう語る作品は、青を基調とした一連のイラスト。これまで使いがちだったピンクを抑えて、新たな色として青を取り入れて表現したという。 「新しい色もそうですし、ディティールについてもこれまで以上に細かく仕上げようと意識しました。これまでの寺田てらとは、ちょっと違う雰囲気を感じてもらえたら。グッズとして男性も手が取りやすいんじゃないかなって」 イラストレーションシーンの最前線を走る一人でありながら、積み上げてきたイメージを更新しようとしている寺田てらさん。今回の個展は、そうした新たな寺田てらの表現が垣間見れる場となっていた。 展覧会「SensiouS」は12月8日(日)まで、東京・松屋銀座8階のイベントスクエアで開催中。また今後全国を巡回予定だ。 (C)Terada Tera/S Crear
恩田雄多