『第37回東京国際映画祭』Nippon Cinema Now部門の特集監督は入江悠に決定 新部門創設も発表
10月28日(月) から11月6日(水) にかけて開催される『第37回東京国際映画祭』にて、Nippon Cinema Now部門の特集監督が決定した。 アンドリヤナ・ツヴェトコビッチの写真 同部門は、この1年の日本映画を対象に、特に海外に紹介されるべき日本映画という観点から選考された作品を上映する。今回は、2009年の自主制作による『SR サイタマノラッパー』が注目を集め、今年公開の『あんのこと』も話題となった入江悠を特集する。上映作品は『SR サイタマノラッパー』『SR サイタマノラッパー2 女子ラッパー☆傷だらけのライム』『SR サイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者』『太陽』『あんのこと』の5作品(※いずれも英語字幕付き上映)となる 。 併せて、新部門の創設も発表。東京国際映画祭では、これまでメインの「コンペンティション」部門や長編3本目までのアジアの新人監督のコンペである「アジアの未来」、日本公開前の国内外の話題作をプレミア上映する「ガラ・セレクション」など、主要9部門で構成されていたが、今年新たに「ウィメンズ・エンパワーメント」(Women’s Empowerment)部門が創設される。 同部門では、東京都と連携し女性監督の作品、あるいは女性の活躍をテーマとする世界の新作を上映(7本を予定)。初代駐日マケドニア大使であり、2021年に『第34回東京国際映画祭』で「Amazon Prime Videoテイクワン賞」の審査委員も務めたアンドリヤナ・ツヴェトコビッチがシニア・プログラマーとして作品選定を行う。この他、シンポジウムやゲストトーク付き上映も予定。2021年に映画界での男女平等を推進している国際団体「Collectif 50/50」に、アジアの映画祭として初めて署名をした東京国際映画祭がジェンダーに関して更なる一歩を踏み出す。 ■入江悠監督 コメント あっちにいきこっちにいき、右往左往しながら、映画を作ってきました。 特集上映をしていただけるとのこと、身に余る光栄です。 これまで一緒に映画を作ってくれたスタッフ・俳優の皆さんと、観客の皆さんに感謝します。 ■東京国際映画祭プログラミング・ディレクター 市山尚三 コメント 入江悠監督はインディペンデント映画とメジャー製作の大作を行き来しつつ、常に刺激的な作品を発表し、日本映画の未来を担う監督のひとりとみなされています。これまでの経歴のひとつの区切りともいえる傑作『あんのこと』(24) が公開されたことを機会に、入江監督のこれまでの功績を振り返るとともに、来るべき海外での評価のきっかけになれば、という思いでこの特集を企画しました。 ■アンドリヤナ・ツヴェトコビッチ コメント 長年にわたり、スクリーンの表現は主に男性の視点で描かれるものが多く、より幅広い鑑賞体験というものが欠けていました。しかし、デジタル技術の進歩により、映画製作はより身近なものとなり、女性監督、脚本家、主人公が大幅に増えてきています。今回の東京国際映画祭のこの部門は、このような新しい声に焦点を当て、彼女たちの多様なストーリーと映画への貢献を称えるものとなります。 <イベント情報> 『第37回東京国際映画祭』 2024年10月28日(月)~11月6日(水) 会場:日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区