ヤマハ発動機の電動自転車「PAS」通学向けに拡充 25年春新型発売 需要伸びる高校生に照準
ヤマハ発動機は、電動アシスト自転車「PAS(パス)」シリーズの通学向けラインアップを拡充する。利用が拡大している高校生にターゲットに絞った新型モデル「PAS ULU(ウル)」を来年3月21日に発売する。デザインだけでなく、通学時に授業や部活動の荷物を運びやすくするなどの機能性にもこだわった。 電動アシスト自転車は市場が右肩上がりで、利用シーンも多様化している。ヤマハ発によると、特に若年層に利用が広がっていて、PASユーザーの保証登録者数は2023年、15歳が約4500人と飛び抜けて多く、08年から17倍になったという。担当者は「電動アシスト自転車との初めての接点が若年化している。通学用途の需要は今後も伸長が見込める」と説明する。 通学にも対応できる数モデルを既に市場投入しているが、デザインに違いはあっても機能面は差別化していなかった。高校生にはデザイン重視の傾向だけでなく、通学に便利な機能を求める潜在的なニーズがあると判断。将来にわたってPASのファンになり得る層の開拓を目指し、通学に特化したモデルを開発した。 他の年代よりも長い距離を乗ることを想定し、低重心でタフな印象を与える骨太フレームを採用。前部のバスケットは重い荷物も運べるよう、耐荷重をシリーズ最高の5キロにした。リアキャリアも幅を広くし、荷物を載せやすくした。担当者は「実際の通学シーンを徹底的に調べ、学生のための価値を盛り込んだ」と強調した。希望小売価格は15万5千円。年間7千台の販売を計画する。 子ども乗せタイプの「PAS babby(バビー)」「PAS kiss(キッス)」の2モデルは全面改良し、来年1月30日に発売する。夫婦で共用しやすい新フレームなどを採用し、チャイルドシートの使い勝手と快適性も高めた。希望小売価格はバビーが18万4千円、キッスが18万7千円。
静岡新聞社