足利将軍家の祈願寺、天寧寺で十六羅漢など重文拝観 京都・福知山でバスツアーの一行
北近畿の各地を訪れ交流しているバスツアーの一行が、京都府福知山市大呂の天寧寺をこのほど訪れ、石角周禅住職(43)から寺の成り立ちの話を聴いたり、国の重要文化財(重文)を見たりした。 バスツアーは、NPO法人北近畿みらい(四方八洲男理事長)主催の北近畿みらい塾の参加者。「奥京都国宝(重文)十箇寺巡り」として、5月10日から11月29日までに計5回催行する計画で、国の重文を保有する福知山市観音寺の観音寺など府北部10カ寺を巡っている。BS観光共催、両丹日日新聞社など後援。 天寧寺は1365年(貞治4年)に、愚中周及師が開山。室町幕府4代将軍、足利義持が同師に帰依したことから、足利将軍家の祈願寺となった。 愚中師は現在の中国に渡った際、師事した即休契了師から第一の弟子と認められ、教えを受け継いだ証しとして即休師を描いた頂相(肖像画)「絹本着色即休契了像」を与えられて帰国した。その肖像画とともに、釈迦亡き後、仏法を守ることを託された16人の弟子を描いた絹本着色十六羅漢像も重文指定されている。 この絹本着色十六羅漢像について石角住職は、「明智光秀の丹波攻めの際、猪崎城主の塩見氏が持っていたもので、城が落ちる時に天寧寺に預けられたと聞いています。寺には塩見氏の位牌もあり、今も弔っています」などと、寺宝にまつわる逸話に触れた。 参加した綾部市の女性(82)は、先祖が塩見氏だといい、天寧寺との縁を感じながら、飾られた即休契了像や十六羅漢像を見ていた。