「妻がPTA役員に選ばれて愚痴ばかり。そんなに大変なの?」とギモンな夫に、論語パパがズバリ一言
幼稚園に通う5歳の息子を持つ40代共働き家庭の父親。幼稚園のPTA役員に選ばれた妻が疲弊する様子をみて「そんなに大変? 退会するか、もっと適当にやったら?」とアドバイスしたところ、「他人事(ひとごと)のように言わないで!」と叱責されました。「論語パパ」こと中国文献学者の山口謠司先生が、「論語」から格言を選んで現代の親の悩みに答える本連載。今回の父親へのアドバイスはいかに。 【写真】PTA会長を務めた“人気ミュージシャン”はこの人 【相談者:5歳の息子を持つ40代の父親】 私立幼稚園に通う5歳の息子を持つ40代の父親です。この春、わが家はPTA役員に選ばれました。息子の幼稚園はもともとPTA活動が盛んで、一人っ子のわが家は、これまでの役員決めでも候補にあがっていたのですが、ついに選ばれてしまいました。私は管理職で多忙なため、PTA活動はパートタイムの妻に任せることになってしまいます。妻は「子どものためなら」と引き受けたものの、いざ活動が始まると、時間を奪われ、人間関係に悩まされ、おまけに無報酬とあって、すぐ疲弊していきました。 愚痴ばかりの妻を見かねて、「PTAってそんなに大変? 退会するか、ほかの人に任せて適当にやったら?」とアドバイスしたところ、妻から「他人事のように言わないで!」と泣いて叱責されました。できない活動はほかの役員に任せるなり、縮小するなり、もっとうまくやればいいと思ったのですが……。PTA任期終了まで10カ月以上、このまま妻の不機嫌が続くと思うと憂鬱です。 【論語パパが選んだ言葉は?】 ・「子曰(しいわ)く、君子は和して同ぜず。小人は同じて和せず」(子路第十三) ・「孺悲(じゅひ)、孔子に見えんと欲す。孔子、辞するに疾(やま)いを以(も)ってす。命を将(おこな)う者、戸を出(い)づ。瑟(しつ)を取りて歌い、之(こ)れをして之(こ)れを聞かしむ」(陽貨第十七) 【現代語訳】 ・立派な人はそれぞれに主体性を持ちつつ、人々と調和してものごとに対処できるが、つまらない人はその逆である。 ・孺悲という人が、孔子に面会をもとめたが、孔子は病気だといって会わなかった。取次の人が断りを伝えるためにドアを出ていくと、すぐ瑟(しつ=琴のような楽器)を引き寄せ、歌声がきこえるように歌をうたって、孺悲の耳に入るようにした。