日本の防衛力強化、アメリカで72%賛成…日米共同世論調査
読売新聞社と米ギャラップ社が実施した日米共同世論調査で、米国側で日本の防衛力強化に賛成する人が7割を超え、共和党支持者では保護貿易を求める声が多数を占めた。トランプ新政権が世論の後押しを受け、日本への圧力を強める可能性がある。(ワシントン支局 阿部真司、世論調査部 原新) 【ひと目でわかる図解】トランプ氏「不安」日本で63%
今回の調査では、米国の72%が日本の防衛力強化に賛成すると答え、前回22年調査から7ポイント増加した。ロシアのウクライナ侵略や中国の活発な軍事活動などが影響したとみられる。支持政党別でみても、民主党支持層72%、共和党支持層65%が賛成し、党派に関係なく日本の防衛力強化に期待する声が強まっている。
トランプ次期大統領は新政権の主要人事を決め、来年1月20日の就任に向け着々と準備を進めている。フロリダ州にあるトランプ氏の邸宅には国内外の要人が「トランプ詣で」を重ねており、トランプ氏は求心力の高まりを背景に「米国第一」の政策を進める構えだ。
今月6日に行われた米NBCニュースのインタビューでは、北大西洋条約機構(NATO)を巡り、「彼らは我々を利用している」と不満を述べ、米国の脱退の可能性について、「もし彼らが(防衛費を)負担すれば残る」と語り、欧州の同盟国に防衛費増を迫った。
同盟国である日本については今のところ、「非常に重視している」(16日の記者会見で)との考えを示しているが、かつては在日米軍の駐留経費の大幅な負担増を要求したこともある。気まぐれな言動への不安は根強く、日本政府関係者は「いつ何を言い出すか分からない」と身構える。
自らを「タリフマン(関税の男)」と称するトランプ氏は、早くも中国のほか、メキシコ、カナダに新たな関税を課すと表明し、保護主義的な通商政策を進める構えを示している。
強気の背景にあるとみられるのが、支持層の後押しだ。世論調査で自由貿易と保護貿易のどちらが望ましいかを聞くと、自由貿易49%、保護貿易46%と割れたが、トランプ氏の共和党支持層に限れば、69%が保護貿易が望ましいと回答した。