職務から排除されると言ったのに…尹大統領、堂々と職務遂行
イ・サンミン行政安全部長官の免職案を受け入れ
内乱被疑者として立件された尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は8日、イ・サンミン行政安全部長官の免職案を受理した。与党「国民の力」のハン・ドンフン代表による、尹大統領は第一線から退くとともに「事実上、職務から排除される」との発言とは異なり、依然として自身が大統領としての権限を行使していることを示したのだ。 国会による弾劾案可決で大統領の職務が法的に停止されない以上、尹大統領の権限行使を阻止する方法はない。そのことが確実になったわけだ。 行安部はこの日午後、記者団に対して「イ・サンミン行安部長官が辞意を表明した。その辞意が受け入れられたので、声明を発表する」と公示した。通常は大統領室が資料を発表して知らせる国務委員人事を、行安部が資料を発表して公示したのは異例。 野党から「内乱の主犯」の1人として名指しされているイ前長官については、共に民主党が前日に弾劾訴追案を国会に報告しており、10日に国会で採決される予定だった。 このような状況において尹大統領が免職案を受理したことについて、政界では、長官の弾劾案が可決されて代行体制となることを回避するための先制措置だ、あるいは自身の「職務からの排除」に言及したハン代表などに対するメッセージだ、との解釈が示されている。 尹大統領が国家情報院のホン・ジャンウォン第1次長の後任としてオ・ホリョン国家情報院長特別補佐官を6日に任命したことも、この日、国家情報院の公示で告知された。ホン前第1次長は、12・3非常戒厳発令の直後に尹大統領から国会議長と与野党の主要政治家を逮捕するよう指示されたことを暴露後、6日に辞表を提出していた。 大統領室はこの日、ハン・ドンフン代表とハン・ドクス首相が共同の国民向け談話で尹大統領の「職務からの排除」に言及したことについて、立場表明はなく沈黙している。 イ・スンジュン、チャン・ナレ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )