＜第75回NHK紅白歌合戦＞熱唱するCreepy　Nuts（撮影・藤山　由理）

　大みそか恒例の「第75回NHK紅白歌合戦」（後7・20）が31日、東京・渋谷のNHKホールで行われ、ヒップホップデュオ「Creepy　Nuts」が紅白初出場を果たした。 　今年、世界を席巻した「Bling－Bang－Bang－Born」で、年の瀬のホールをダンスフロアに変えた。司会の有吉弘行、橋本、伊藤沙莉も「BBBBダンス」をノリノリで披露。アニメ「マッシュル－MASHLE－」の第2期オープニング曲だが、それにとどまらず、キャッチーなメロディーと呪文のような中毒性の高いリリックがたちまち話題を集めた。ヒップホップアーティストとして、史上最速でストリーミング総再生回数1億回を突破した。 　日本のみならず、世界を席巻した。「Billboardグローバル・ジャパン・ソングス」での5週連続1位に加え、2週連続で米国、英国、フランス、南アフリカ、ブラジル、タイ、シンガポールの計7か国で首位を獲得するなど世界的に大ヒット。7か国同時首位獲得は、日本アーティストとして最多だった。2人にとって、音楽活動が世界に広がるきっかけの曲になった。 　29日の囲み取材では、ラッパーのR－指定（33）が「ホンマに自分たちが予想していない広がり方をしてくれた曲」としみじみ。「今まで書いてきた曲と同じように大切な曲の一つ。なおかつ、ホンマにこの曲きっかけで海外ライブに行かせてもらったので、新しい名刺みたいな感じ」と笑顔で語っていた。 　一時期はDJ松永（34）が、バラエティー番組に多数出演する売れっ子タレントになったが、音楽活動に専念するため、昨年ですべてのレギュラー番組を降板した。音楽にすべてを注ぎ込んだ今年、主題歌「二度寝」を担当したTBS系ドラマ「不適切にもほどがある」もヒット。今年のユーキャン新語・流行語大賞で、ドラマの略称「ふてほど」が大賞に選ばれた。2人が思い描いた通り、音楽で注目を浴びる1年になった。 　今年の紅白のテーマは「あなたへの歌」。パリ五輪・パラリンピックに歓喜し、高揚した一方で、相次ぐ自然災害や終わらぬ紛争…多くの悲しみもあった2024年の大みそかに「ひとりひとりに最高の歌を」と思いを込める。 　司会はお笑いタレントの有吉弘行、女優の橋本環奈、伊藤沙莉、同局・鈴木奈穂子アナウンサーが務めた。 　ゲスト審査員は、俳優の横浜流星、漫画家の青山剛昌氏、タレントの内村光良、プロ車いすテニス選手の上地結衣、女優の河合優実、プロスケートボーダーの堀米雄斗、バレリーナの森下洋子氏、脚本家の吉田恵里香氏で、今年と来年の“顔”8人。昨年までの通算成績は紅組が34勝、白組が40勝。