フジロックで大反響、Frikoが相思相愛の日本で語る「マイベスト」人生を変えた音楽と新作の展望
一番好きなレディオヘッドのアルバム
―少し前にレディオヘッド「Weird Fishes/Arpeggi」のカバーをリリースしましたけど、あなたたちにとってレディオヘッドのベストアルバムというと? ベイリー:(「Weird Fishes/Arpeggi」が収録されている)『In Rainbows』かな、やっぱり。 ニコ:やっぱりそうなるよね。僕は『In Rainbows』か『Kid A』かな。最近はよく『Hail to the Thief』も聴いてる。頭が上がらないよ、長いキャリアの間ずっといい曲を作り続けられるなんてさ。レディオヘッドは初期の頃、日本でかなり人気だったんだよね? ―そうそう、よく知ってますね。『In Rainbows』は、特にどこが好きなんでしょうか? ベイリー:サウンドはもちろん、すばらしいソングライティング。ダンスっぽい要素もあるんだけど、エモーショナルで。非の打ちどころがないよ。どの曲も個性が立っているのに、アルバムとして成り立っているし。 ニコ:トム・ヨークの歌詞って風変わりなんだけど、普遍性があるというか。「All I Need」の歌詞もそう。 ベイリー:あれは最高。 ニコ:あれは僕らみんなの歌詞でもあるんだ。 ―じゃあ、お気に入りの『In Rainbows』の中から、「Weird Fishes/ Arpeggi」をカバーすることにした理由を教えてください。 ニコ:弦楽器を入れようってアイディアが思い浮かんで、(シカゴのライブハウスの)Metroで演奏したんだ。やってみたらすごくうまくいって、「レコーディングしよう!」って話が進んでいって。特に理由があるわけでもなく、やってみたらいい感じだったから、流れに身を任せたって感じかな。 ベイリー:すごく自然な流れだったよね。きっかけはニコのアイディアだった。 ニコ:そう、ただやってみたかったんだ。大好きな曲の一つだし、思いついたからには「やろう!」って。その勢いでやったんだよね。 ―乱暴な区分けではありますが、レディオヘッドの実験的な側面とソングライティングの側面、どちらにより惹かれていますか? ニコ:もちろん、その二つのコンビネーションがすばらしいんだけど、僕はソングライターとしての側面だね。 ベイリー:私は実験的な側面かな。風変わりなトーンが心に引っかかってくる。そこにソングライティングの良さがあいまって魅力的な音楽になってると思う。だから、その実験的な部分に惹かれてるかな。 ―最近僕が面白いなと思うのは、『The Bends』の影響を受けているアーティストが増えてきたなということなんです。でも『The Bends』って結構長い間、大声で「このアルバムが好き!」とは言いづらい作品でもあったじゃないですか。 ニコ:たしかに、僕も最近になってよく聴くようになった。昔はそれほど好きじゃなかったんだけど、今ではライブビデオも観るくらい好きだよ。とにかくエネルギーがすごいよね、当時はまだストレートなロックバンドって感じだったし。個人的に、ロックミュージックがさまざまな形で更新されていくのが好きなんだよね。『The Bends』もそう。95年にリリースされたんだっけ? 当時ってウォール・オブ・サウンドが主流で、それ以外のサウンドをやることって難しかったと思う。 ベイリー:初めて『The Bends』を聴いた時はあまりピンとこなくて。それからしばらく聴いてなかったから、もう一度聴き直してみようかな。今がきっといいタイミングだと思うから。 ―うん、ぜひ聴いてみてください。