55歳専業主婦。年金は夫婦で「月23万円」ほどになりそうです。ただ夫に万が一のことがあったら「私の年金」はどうなってしまうのでしょうか…?
結婚している場合、老後の生活資金は夫婦の年金額を合わせた額で考えている人も多いと思います。専業主婦(夫)や、配偶者の収入が家計の大部分を担っているという人の中には、配偶者に先立たれた際に自分の年金がどうなるか不安を感じている人もいるかもしれません。 本記事では、高齢者夫婦が年金生活を開始し、その後夫が亡くなった場合に妻の年金がどうなるのかを考えてみたいと思います。 ▼夫婦2人の老後、「生活費」はいくら必要? 年金額の平均をもとに必要な貯蓄額も解説
夫が亡くなっても月12万~13万円ほどは手取りで残る計算に
厚生労働省によると、夫婦2人の老齢基礎年金(国民年金)を含む平均的な年金受給額は月額およそ23万円(2024年度)となっています。老齢基礎年金の1人あたりの満額は6万8000円のため、本記事では妻が専業主婦で老齢基礎年金の満額である6万8000円を受給し、夫が残りの16万2000円、夫婦あわせて23万円を受給すると仮定して考えてみます。 妻は老齢基礎年金を受給しているため、引き続き老齢基礎年金は受給できます。夫が亡くなった場合、この金額に遺族厚生年金を上乗せすることができますが、遺族厚生年金額は以下のaとbの高いほうとなります。今回のように専業主婦やパート主婦などはaになることが多くなります。 a. 亡くなった人の厚生年金の報酬比例部分の4分の3 b. 亡くなった人の厚生年金の報酬比例部分の2分の1と(自身の)老齢厚生年金の2分の1の合計 自身の厚生年金がある場合でも、aまたはbのほうが高額の場合は、aまたはbから金額の高いほうが採用されます。自身の老齢基礎年金+老齢厚生年金にさらに上乗せされるわけではなく、老齢基礎年金+遺族厚生年金となり、自身の老齢厚生年金部分の金額は支給停止されます(図表1)。 図表1
日本年金機構のHPを基に筆者作成 aを簡易的に計算すると、以下になります。なお報酬比例部分は老齢基礎年金を含まない純粋な厚生年金部分のイメージですが、以下は報酬比例部分の計算方法を考慮していないため、実際の金額とは異なる点に注意してください。 <簡易的な計算> 夫の概算厚生年金:16万2000円(上参照)-6万8000円(老齢基礎年金満額)=9万4000円 遺族厚生年金:9万4000円×3/4=7万500円 妻の年金額:6万8000円(厚生年金)+7万500円(遺族厚生年金)=13万8500円 年金の額面としては以上のような金額になりますが、年金生活者でも社会保険料(国民健康保険料等)や、住民税などがかかりますので手取りはさらに減額され、手元に残るのは12万~13万円ほどになると考えられます。