葉タバコ収穫シーズン 10アール当たり225キロ見込む 沖永良部島知名町
鹿児島県知名町で生産されている葉タバコの収穫が始まっている。好天となった8日は町内のほ場で適熟に達した下葉の摘み取り作業に汗を流す生産者の姿が見られた。収穫作業は7月上旬まで続く見込み。 葉タバコは同町が奄美唯一の産地。県たばこ耕作組合(鹿児島市)によると、今期は新品種「NS1」に全面転換した。生産者6戸(前年同)が14・55ヘクタールで栽培。10アール当たりの収量は225キロを見込んでいる。前年実績はNS1の試験栽培分を除き、栽培面積11・21ヘクタール、生産量2万3334・5キロだった。 生産者によると、NS1は従来品種「沖縄2号」に比べ、わき芽が少なく、作業の省力化が図られる利点がある。一方、昨期の試験栽培で沖縄2号より成熟の遅れが見られたため、今期は種まきの時期を早めた。4月中旬の激しい雨風で、葉タバコが根元から倒れる被害があり、それを起こす作業で収穫がストップ。例年より収穫が遅れている生産者もいるという。 同町の葉タバコ生産は1970年代には生産者が200戸余りあったが、徐々に減少。2021年には日本たばこ産業(JT)の廃作募集に町内の生産者約7割が応じ、6戸まで減った。 同組合沖永良部地区総代の武元直人さん(47)は「生産者は少なくなったが、まとまりは強くなっている。今後も生産を続けていきたい」と話した。 収穫した葉は乾燥などの工程を経て、9月に熊本県にある日本たばこ産業のリーフセンターで買い入れ作業が行われる。