米国債、利回り5%に達したら買い-シティのウェルス部門
(ブルームバーグ): 米国債の10年物利回りは米経済堅調の中でさらに上昇し5%に達する可能性があり、その水準は買いの好機になる。米銀シティグループの富裕層向け事業部門がこのような見方を示した。
シティ・プライベート・バンクのチーフ投資ストラテジスト兼チーフエコノミスト、スティーブン・ウィーティング氏は、米10年債利回りについて「5%近くまで上昇する可能性は確かにある」と述べた。
同氏はシンガポールでの記者説明で、「5%の水準は本当に魅力的なものだと思う」と語った。
2期目のトランプ政権の下でのインフレ促進的な政策を投資家が警戒する中、米10年債利回りは昨年9月の低水準3.60%から上昇し7日に4.70%近くに達した。
経済の底堅さからトレーダーらは次回の米利下げ時期の予想を7月に先送り。利回りがどこまで上昇するかについて再考を迫られている。
オプション市場も10年物利回りが5%まで上昇する可能性を示唆している。10日に発表される米非農業部門雇用者数が予想を上回れば、さらなる米国債売りの材料になるだろう。
シティのウィーティング氏は5%の利回りを基本シナリオとはしていない。米10年債利回りは4.75%前後、フェデラルファンド(FF)金利は3.75%で今年を終えると予想している。
ブラックロックのアジア太平洋地域のファンダメンタル債券部門責任者、ナビン・サイガル氏も、米国債利回り上昇に魅力を見いだしている1人だ。
同氏はブルームバーグテレビジョンの番組で「利回り上昇は、もちろん幾分の痛みをもたらす。しかし、ある意味では贈り物と見なすこともできる。まだ巨額の資金が待機しており、それを活用することが可能になる」と語った。
原題:Citi Wealth Says Treasuries at 5% a Buy as Yields March Higher(抜粋)
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Ruth Carson, Betty Hou