門脇誠、中山礼都、泉口友汰…優勝争いの巨人で「遊撃の定位置」つかむのは?
虎視眈々と定位置を狙うライバル
門脇の状態が上がらなかった時期に、遊撃を守った泉口は今季64試合出場で打率.205、1本塁打、9打点。エースの戸郷翔征がノーヒットノーランを達成した5月24日の阪神戦(甲子園)では5回に左前適時打を放ち、1対0で勝つ殊勲打となった。「今までにないぐらいの緊張感を1年目に経験させていただいて、翔征に感謝の気持ちしかない」と試合に出場することが成長の糧になっている。手堅い守備としぶとい打撃で実戦向きの選手だが、9月6日に今季2度目のファーム降格となった。走攻守でさらなるレベルアップが必要であることを痛感しただろう。再びはい上がり、門脇から遊撃の定位置を脅かせるか。
背水の陣からチャンスをつかんだのが、中山礼都だ。かつては坂本から遊撃の定位置を引き継ぐ最有力候補とみられていたが一軍でなかなか結果を出せず、門脇に追い抜かれる形になった。今季はイースタン・リーグで67試合出場し、打率.332、4本塁打、30打点。格の違いを見せていたが、一軍になかなか定着できない。9月7日に4度目の一軍昇格。覚悟を決めてグラウンドに立っているだろう。同日のDeNA戦(東京ドーム)でチームを窮地から救った。1点差を追いかける9回二死一、二塁の好機で代打起用されると、右前に運ぶ同点適時打。土壇場で試合を振り出しに戻し、延長12回の末にサヨナラ勝利を飾った。この一打が評価され、遊撃で今季初のスタメン出場となった翌8日の同戦でマルチ安打をマークした。 門脇、中山、泉口とプレースタイルは違うがそれぞれの良さがある。ヒリヒリした戦いが続く中、求められるのは結果だ。4年ぶりのリーグ優勝に向け、シンデレラボーイになれるか。 写真=BBM
週刊ベースボール