海外進出も・大阪名物串カツ発祥の店「だるま」 ── あの名物看板社長に聞く成功の秘訣
安倍首相に「二度づけ禁止」を注意した
また、昨年4月18日には、安倍晋三首相が新世界を訪れ、同店の串カツを食して話題を呼んだ。 「そうです、安倍総理が来たんです。ちょうどその頃に、テレビ取材も一気に増えた。5月にバンコクにオープンした時は『日経新聞』(日本経済新聞)に載った。うちみたいな串カツ屋が日経新聞に載るか~って、ほんま、安倍総理のおかげやなって。僕はその時、安倍総理に二度づけ禁止を教えてるから。『お願いがあります。二度づけしたらあきません』って、YouTubeに出てます。現役の総理大臣が新世界に来たのは初めてって、街の人が言うてました。どこから聞きつけてきたのかは知らない。内閣府から直接電話があった。SPの方や警察の方、関係者の方やギャラリーなど400人はいました。お店に入ったのは安倍総理と10人くらいですけど」 また、2月からは「串かつだるまチキンカツサンド」がファミリーマート(関西・中国・四国地方)約2900店舗で販売を開始。去年の秋くらいからテレビ出演も増え、今や業界を牽引し、大忙しだ。 「飲食店で成功するには、いかに自分の店を客観的に見られるか。えらそうには言われへんけど、失敗する人が多いのは、なんでかって言うたら、自分だけが美味しいと思ってるから。お客さんが美味しいと思わなあかん、自分がなんぼ美味しいと思ってこれを食えって言っても、お客さんに認めて頂かないと。美味しいモノの定義は、最初に一口食べて、『これ、うまい』って思うもの。分かりやすいのはスイーツ、最初の一口で美味しい。そういうふうに万人に認めて頂く味をきちんとした形で提供する。もっとも、ビジネスの場合、味だけではダメなんです、いろんな(接客の)ジャンルがあって、すべてのジャンルに合格点がつけられれば、飲食店で成功すると思うんです」 最後に今後の目標を聞くと、「そんなカタい会社じゃないので、新店計画とか決めてない。ただ、良い場所があったら行くでって、全部僕が決めてるんですけど。今のところ今年の予定は、国内は7月に1店舗。海外はマニラ、台北、ジャカルタに今年中にそれぞれ店を出す予定、契約はまだできてませんけど。ええ、東京エリアは一切入ってない。なんでかって? 大阪名物やからね」と、上山会長はにたりと笑った。 (文責/フリーライター・北代靖典)