経産省が進める「繊維製品の資源循環システム」を動画で解説 アパレルビジネスの未来像がここに
参加者4:商品単価が下がっているという話が出たが、弊社ではシーズン末のバーゲン期間の再設定が議論に上がることがある。フランスのように政府がバーゲン期間を定めている国もある。その方が供給量も計画を立てやすいのでは?日本でもバーゲン期間を統一する議論はあるのか?
田上:(ご指摘のように)衣料品をできるだけプロパー価格で売ることは重要。業界として正式に要望をいただければ、関係部署と連携し適切に検討したい。
参加者5:フランスでも実際には各店や商業施設が「シークレットバーゲン」を行うなど、骨抜きになっているのが現状。そういった事情も知るインポートブランドの日本法人はモノを作るわけではなく、サステナビリティの専門部隊が国内にいるわけではないが、サステナビリティ基準は公開しており、必要あれば本国の専門家をつなぐこともできる。国を超えたネットワークの中で議論を進めてほしい。
大量生産を規制することは難しい
参加者6:大量の売れ残りが発生している現状から考えると、生産の適量化は重要なことだと思う。それが実現した場合、海外ブランドの輸入規制も考えるか?
田上:現地点では、海外ブランドの輸入規制は考えていない。国内に流通しているアパレル製品の98%以上が海外輸入なので、そこを規制するのが果たして国民の利益になるのかよく考えなければならない。一方で、欧州はSDGs等の観点から、人権・環境に配慮していない商品に対する域内マーケットへの輸入を厳しくしようとしている。今後、国内企業に対して人権・環境への配慮をお願いしていくため、輸入される衣料品にも何らか対応を考えなければいけない可能性もある。現状、日本企業は先行する海外規制への対応が求められているので、この状況を変えて、欧州と連動して制度を作っていきたい。
参加者7:米の減反政策のように、必要量以上作らない規制を衣料にも適用できないのか。
田上:現状、繊維製品の生産を規制する法律はないため、大量生産を規制することは難しいが、繊維・アパレル業界に対してはこうした現状認識を踏まえた対応を検討してもらっている。