経産省が進める「繊維製品の資源循環システム」を動画で解説 アパレルビジネスの未来像がここに
廃棄衣料の再資源化で世界一を目指すくらいの集中とスピードが必要
参加者3:私は素材開発や、繊維循環のための設計を進めているが、日々海外産地の現状を見る中で、日本はかなり出遅れ巻き返しができないところまできていると感じている。中国では廃棄衣料の再資源化の最新設備が国の助成金で次々建てられている。インドも豊富な資源を生かす設備投資が盛んだ。日本は今から設備投資に助成金を出したとしても、繊維産業を再び盛り上げることなどもはやできないのでは?と現場でヒシヒシと感じている。今は選択と集中が必要。日本が競争力をつけるためには廃棄衣料の再資源化の技術と設備に集中し、世界一を目指すくらいの集中とスピードが必要だろう。今回の話でそこへ向かっていることは理解したが、何をいつまでに、がわかりづらいのでロードマップを具体的に教えてほしい。
田上:日本の繊維産業が世界で戦っていくためには、繊維リサイクルは不可欠であり、補助金などでしっかり投資を支援していく。今後のスケジュールについても明確化してゆく。グローバルでは、例えば2030年にはリサイクル繊維がどのくらい普及するかは試算されているので、そこから逆算して30年までに日本で出揃っているべき技術や、日本でのリサイクル繊維の使用比率などを提示するなど、年内にはロードマップを示したい。
参加者3:衣類の混紡率の高さがリサイクルの課題のひとつ。自動分別技術はすでに実用化している国があり、精度はまだ低いが課題の抽出が始まっている。すでに実証段階に入っているから、日本に仕組みができたとしても時すでに遅しの可能性がある。資源としての廃棄物が海外へ出てしまうこともあり得る。実際、弊社も使い道がない素材を国内でリサイクルしたいと思いつつ、海外へ送ることを検討している。民間は、現地の調査をして現状を見ているので共有の場を設けて欲しい。
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