慶大ラグビー部の青貫浩之監督（左）と中山大暉主将

関東大学ラグビー・対抗戦（27日、栃木第2）2試合が行われ、昨季5位の慶大が同7位の青学大を20－10で退け今季4戦目で初勝利を挙げた。HO中山大暉主将（4年）を中心とした粘り強い防御が光った。青学大は4敗目（1勝）。立大は日体大に45－17で勝利し、今季初白星。日体大は開幕5連敗となった。 慶大は青学大との接戦を制し、今季4戦目で初勝利だ。主将を務めるHO中山は「青学大は（9月末に）筑波大に勝ってから勢いがあって、チャレンジしてくるのは分かっていた。ディフェンスで粘り強く戦えたのが勝因」と胸を張った。 慶大はPGで先制するも、前半12分に3－7と逆転を許し、さらに猛攻を受け自陣でのプレーが続いた。それでも伝統の力強いタックルを中心とした防御で粘り、流れを引き寄せた。26分に相手ゴール前で、元日本代表WTB小野沢宏時さんを父に持つWTB小野沢謙真（1年）が好機を持続させ、パスを受けたFB伊吹央（3年）がトライ。28分に小野沢がトライ後のキックを決め、10－10の同点に。その後に1トライを決め、17－10で折り返した。 後半は10分、小野沢のPG成功でリードを10点に拡大。その後は何度も青学大に自陣深くまで攻め込まれたが、全員で体を張り続け、相手を無得点に封じた。青貫浩之監督は「われわれの意地が少し上回った」と目を細めた。青学大にボーナスポイントを与えなかった。 前週20日に王者・帝京大に19－57で敗れ開幕3連敗だったが、主将が「前に出るラグビーは徐々に精度が上がってきた」と振り返ったように、過度に悲観することはなかった。青学大戦に向けて毎日ミーティングを開き「目標のために100％努力ができているか」を問い続けた。成果が「最後のプレーに生きた」と主将は実感を込めた。 これで7位に浮上。目標の全国大学選手権4強以上に向け、関東対抗戦は上位5校が出場資格を得られる。中山は「目標に向けてターニングポイントの試合だった。チャレンジャー精神で自分たちを加速させ、ステップアップしていく」と、次戦11月10日の立大戦（えどりく）を見据えた。さらに早大、日体大戦と続く。伝統校が栃木での初白星を自信に突き進む。