「指定席を取った列車に乗り遅れた」←どう対応すべき? 買い直す必要はある? 知っておきたいきっぷのキホン
新幹線などのきっぷは2種類で構成
新幹線やJRの在来線特急列車(以下、新幹線など)を利用する際、出発が遅くなったり、体調不良になったりして乗り遅れてしまうことがあるかもしれません。そんなとき「せっかく高いお金を払ったきっぷが無効になってしまうのでは?」と心配になるでしょう。実はJRのきっぷには救済措置があり、仕組みを理解することで、その場で正しい対応ができるようになります。 【画像】要チェック!これが年末年始に「のぞみ」が全席指定になる期間です 新幹線などに乗車するときに購入するきっぷは、基本的に「乗車券」と「特急券」の2種類で構成され、きっぷの料金は乗車券と特急券を合算した金額になっています。なお、グリーン車・グランクラスに乗車する場合はこれらに加えて「指定席グリーン券」、「サンライズ出雲」「サンライズ瀬戸」に乗車する場合は「寝台券」を購入しますが、今回は説明を省略します。 乗車券とは、JRの路線を利用するために必要となる基本のきっぷで、通常は「乗る駅」から「降りる駅」までの区間に対する料金を支払います。乗車する列車の種別にかかわらず、金額は同一です。例えば東京~熱海間には東海道新幹線や「サフィール踊り子」などの特急列車、普通列車がありますが、乗車券の金額はいずれも同じ1980円です。 特急券とは、新幹線などを利用する際に必要な追加料金のきっぷのことで「指定席特急券」と「自由席特急券」があります。指定席特急券では乗車する列車と座席を予約する形になります。逆に自由席特急券では列車を予約しないので、乗ろうと予定していた新幹線などに乗り遅れても、後続列車の自由席に乗車できます。 ちなみに指定席特急券の仲間で、乗車日と乗車する区間だけを指定し、列車と座席を予約しない「座席未指定券」を設定する特急列車もあります。こちらは空いている指定席に座れますし、追加料金不要で座席を指定できます。
乗り遅れた場合、「特急券」は流用できる
では、予約した列車に乗り遅れた場合、きっぷはどうなるのでしょうか。結論からいうと「(ほぼ)無効にはならず、後続列車にも乗ることが可能」です。 まず、乗車券は予約した列車でなくても有効期間内であれば使用できるので、絶対に処分しないようにしましょう。たとえば、東京~名古屋間のきっぷを購入して東海道新幹線「のぞみ」に乗る予定だった場合、乗車券はその区間の移動に使い続けることができます。 次に指定席特急券は、乗り遅れたとしても払い戻しできません。また、後続列車の指定席に振り替えることも不可能です。 しかし、同じ日の後続列車の自由席に限り、手持ちの指定席特急券で乗車可能です。例えば「のぞみ」の指定席に乗り遅れた場合、同日の後続列車の「のぞみ」自由席であれば、そのまま乗車できます。再び指定席に座りたい場合は、改めて指定席特急券だけを購入する必要があります。 東北新幹線の「はやぶさ」や北陸新幹線の「かがやき」など、一部の新幹線は全車指定席となっています。この場合も後続列車への乗車が可能ですが、空いている席があったとしても着席できず、デッキや通路に立った状態で乗車する「立席」での利用になります。 「のぞみ」も3大ピーク期(ゴールデンウィーク、お盆、年末年始)には全車指定席になりますが、「はやぶさ」などと同様に立席で乗車するか、後続の「ひかり」「こだま」が使用できるようです。 一方、JRの在来線特急列車でも、同じようなルールが適用されます。たとえば「踊り子」や「成田エクスプレス」など全席指定列車の場合も、後続列車の立席を利用可能できるほか、空席がある場合は座ってもOK。ただし、「サフィール踊り子」など、一部のプレミアムな列車では立席や空席の利用ができないケースもあります。