退職手当には「一時金」「年金」の2種類がある!? 受け取り方による違いとは?
退職手当金は、退職時に受け取れるお金です。退職手当を採用していないケースもあるため、事前に就業規則などで確認が必要です。 もし退職手当を受け取る場合、自分の働いている会社はどのような支給方法を選択しているかを確認する必要があります。退職手当の種類によって、受け取れるタイミングが異なるためです。今回は、退職手当の詳細や種類などについてご紹介します。 ▼年金が「月10万円」で老後が不安…持ち家で「貯金」と「退職金」があれば大丈夫? 生活費を試算
退職手当とは?
退職手当とは、退職金のことです。会社によって「退職金」や「退職慰労金」など呼び方が異なるケースがあります。 退職手当は、会社が必ず支給する必要はありません。ただし、会社の就業規則に支給の旨が記載されている場合は規則通りに支給する必要があります。「賃金関係」や「退職関係」は厚生労働省が提示している就業規則への必要記載事項です。 また、会社で独自に決めている退職手当などもあれば記載しなければならないと定められています。つまり、就業規則を読めば退職手当を受け取れるかどうかは判断可能です。 退職手当には大きく分けて「退職一時金」と「退職年金」があります。それぞれ受け取るタイミングが異なるため、会社が退職手当を支給する場合は事前にどちらなのか聞いておきましょう。老後のライフプランにもかかわります。
退職一時金と退職年金の違いは?
大きな違いとしては、退職一時金は一度にまとめて退職手当を受け取れることに対し、退職年金は公的年金のように分けて退職手当を受け取ります。それぞれの具体的な違いを比較しましょう。 ■退職一時金 退職一時金は、一括で支払われる退職手当です。勤続年数や収入により金額が決まる場合が多く、勤続年数が長いほど高くなりやすいとされています。 退職一時金のもう一つの特徴としては、税金計算の際に控除額が多くなりやすいことです。基本的に退職一時金にかかる税金は退職所得を基に計算します。 国税庁によると、退職所得の求め方は以下の通りです。 ・収入金額(源泉徴収される前の金額)-退職所得控除額)×2分の1 そして、退職所得控除額は以下の2通りのうち該当するほうで求められます。 ・勤続年数が20年以下:40万円×勤続年数(80万円未満のときは80万円) ・勤続年数が20年超:800万円+70万円×(勤続年数-20年) 控除額が大きいと、それだけ税金の負担も減少します。例えば、勤続30年で退職一時金を2000万円受け取ると、退職所得控除は1500万円、退職所得は250万円です。 ■退職年金 退職年金とは、「企業年金」のことです。公務員の方が受け取る場合は「退職年金」と呼ばれます。企業年金は日本の年金制度の一つに位置付けられており「確定給付企業年金」「厚生年金基金」「企業型確定拠出年金」の3種類です。 掛け金や企業との契約に基づいて退職後に支給されるため、退職後も一定の収入を得られます。企業が企業年金でどのタイプを採用しているかは、担当部署に確認しておきましょう。受け取れる金額も企業によってさまざまです。 なお、年金の一つとして扱われるため、退職所得としては計算できないようです。雑所得として扱われ、ほかに受け取っている公的年金と同じように所得の申告が必要です。そのため、年金額によっては税額が退職一時金で受け取るよりも高くなるケースもあります。