一問一答 伊藤匠新叡王「藤井さんを追いかけてここまでこれた」 同学年の藤井聡太前叡王をタイトル戦で初めて敗退に追い込む
将棋の第9期叡王戦五番勝負で藤井聡太前叡王=竜王、名人、棋聖など7冠=を破って初タイトルを獲得した伊藤匠新叡王(21)が20日、甲府市内で会見した。この日行われた最終局で勝利し、3勝2敗で初タイトルを獲得した伊藤新叡王は、同学年の絶対王者の背中を追いかけてきた日々を振り返り、「藤井さんを追いかけてここまでこれた」と語った。 【写真】将棋の第9期叡王戦五番勝負第5局に臨む藤井聡太叡王 以下、主な一問一答。 --初めてタイトル獲得した気持ち 「まだ終わったばかりですので、あまり実感というのは沸いてこないところです。やはりタイトルは子供のころから夢に見てきたものなので、とてもうれしく思います」 --2020年のプロ入りから振り返って 「プロ入りから3年ほどでタイトル戦に出場することができて、それも自分としては出来過ぎな結果だと思っていた。なかなかタイトル戦では苦しい戦いが続いていたので、このタイミングでタイトルを獲得できたのは幸運だったと思います」 --喜びを伝えたい人は 「本当にお世話になっている方はたくさんいますので、挙げるときりがないですけど、やはり、両親や師匠には感謝を伝えたいです」 --藤井前叡王に勝ち星を挙げられない状況が続いていた。どのような気持ちだったのか 「藤井さんにはずっと勝てない状況が続いていて、内容面でも接戦にすらできていない将棋が多かったので、はっきりと実力の差があるととらえていて。自分自身の棋力を上げていくしかないと感じていました。今シリーズを振り返っても苦しい展開が多くて藤井さんの強さを感じるところが多かったですけど、何とか結果が出て良かったと思います」 --3度目の挑戦。相掛かりをここ一番で使っていたが、全局角換わりにしたのは 「相掛かりは自分が棋士になったころから得意にしていた戦型だった。藤井さんでは結果が出なくて、藤井叡王は先手番で角換わりを得意としていてその対策に苦労していたところがある。前回の棋王戦の時から先手番で角換わりを採用していた経緯があります」 --タイトル獲得の夢がかなって今後の目標は