一問一答 伊藤匠新叡王「藤井さんを追いかけてここまでこれた」 同学年の藤井聡太前叡王をタイトル戦で初めて敗退に追い込む
「なかなか現時点では具体的な目標はないんですけど、今回の叡王戦では終盤までどちらが勝つか分からないような将棋を指すことができたかなと思うので、そういった熱戦をお見せできるように頑張りたいと思っています」
--藤井さんはライバルと言えるか
「全くそういう認識はないんですけど、まだまだ自分の方が実力が不足していると感じているので・・・。今後も引き続き藤井さんとタイトル戦で戦えるように頑張りたいと思います」
--深い研究の裏打ちされた定跡系で勝負をしている。結果が出ない中でもスタイルを貫いたのは
「もちろん定跡系から外して力戦でという考え方もあるんですけど、それはそれでうまく指しこなせるかというところもある。また変化すると妥協して少し相手にポイントを上げられた状態で戦うことにもなりやすいので、ただ定跡系で戦うのも一気に終盤戦に入ってしまったりもよくあるので難しいところです。自分の中ではまだまだやってみたい将棋がある。まだ定跡系で戦っていくというところですね」
--藤井前叡王と小学3年で対決した。そのころの記憶は。今後も戦うことになるが、どんな存在か
「藤井さんとは出身が愛知と東京で離れているので、小学生の頃に対戦があったのは貴重だった。藤井さんは中学生でプロになられて、そこからずっと藤井さんを目標にやっていたところが大きいので、本当に藤井さんにはここまで自分を引き上げていただいたのかなと思っています」
--藤井前叡王は伊藤新叡王に終盤力で上回られたと言っていた
「今シリーズを振り返っても中盤戦ではこちらがリードを許す展開が多かったと思います、叡王戦は4時間のチェスクロックということで終盤は時間がない中での戦いになりやすく、終盤勝負になりやすかったと思います。もちろん藤井さんは終盤力に定評がありますし、厳しい戦いになると思っていた。その中で結果が出せたのは自信にもつながったかなと思います」
--同世代に藤井前叡王がいることは
「先ほども言った通り、自分は藤井さんを追いかけてここまでこれたと思っている。藤井さんがいなかったらタイトルも取れなかったと思いますし、本当に重ね重ねになりますけど、藤井さんのおかげでこういう舞台に上がることができたと思っています」