国際刑事裁判所、イスラエル首相らに逮捕状を発行 米国の反発必至
イスラエルとパレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスの戦闘を巡り、国際刑事裁判所(ICC、本部オランダ・ハーグ)は21日、戦争犯罪に関与した疑いがあるとして、イスラエルのネタニヤフ首相とガラント前国防相、ハマス軍事部門トップのムハンマド・デイフ氏の計3人に逮捕状を出した。外交面などで支障となる可能性があり、イスラエルや支援する米国の反発は必至だ。 ICCの検察局は今年5月、逮捕状の請求を発表していた。ネタニヤフ氏らについては、戦争を優位に進めるため、ガザ市民の「飢餓」を利用している疑いを指摘。ハマス側に対しては、イスラエルへの越境攻撃で民間人に性的暴行などをした疑いがあるとした。 デイフ氏に関しては、イスラエル軍が7月、ガザ地区南部ハンユニスの空爆で殺害したと主張している。ハマスは殺害を認めていない。 イスラエルはICC非加盟のため、捜査への協力義務はない。ただ、日本などICCに加盟する120以上の国・地域を訪問すれば逮捕される可能性があり、外交活動が大きく制約される可能性がある。 イスラエルとハマスの戦闘は昨年10月に勃発。ガザの保健当局によると、今月21日時点でガザ側では4万4056人が死亡した。一方、昨年10月のハマスの越境攻撃では約1200人のイスラエル人らが死亡した。【エルサレム松岡大地】