世帯年収「500万円」で都内に住んでいる、20代の新婚夫婦です。子どもができた場合「私立中学」に通わせるのは無謀でしょうか…?
「子どもの個性を伸ばしたい」「大学進学を有利に進めたい」「質の高い教育を受けさせたい」といった理由から、子どもを私立中学へ進学させることを考えている方も多いでしょう。 しかし、私立中学は公立中学と比べ授業料が高く、2024年時点で無償化の予定もありません。「子どもを私立中学へ進学させたいが、収入的に厳しい」と感じている人もいるのではないでしょうか? そこで今回は、都内の私立中学にかかる費用や、私立中学に子どもを通わせている家庭の年収などについて解説します。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
東京都内の私立中学に通う子どもにかかる費用
私立中学に通う場合にかかる費用には、学校関連の費用と塾や習い事といった学校外活動費があります。それぞれの額を、公立中学に通った場合と比較してみましょう。 ■東京都内の私立中学に通う子どもにかかる学費 まずは、東京都内の私立中学にかかる費用を確認してみましょう。 東京都が発表している「令和3年度都内私立中学校の学費の状況」を基に、都内私立中学全体の授業料など各費目と合計の平均額を表したものが表1です。 表1
※東京都「令和3年度都内私立中学校の学費の状況」を基に筆者作成 このうち授業料とそのほかは、金額に変動がある可能性はあるものの、初年度以降も支払う必要がある費用です。 なお、東京都教育委員会が「令和4年度保護者が負担する教育費調査報告書-学校納付金調査-(令和3会計年度)」で発表している公立中学校に通う子どもの保護者が負担した学校教育費の実支出額は7万2930円となっています。私立と公立の額に大きな差があることが分かるでしょう。 ■私立中学に通う子どもにかかる学校外活動費 塾や習い事、家庭での自主学習用の教材費などの学校外活動費にも、お金がかかります。 「令和3年度子供の学習費調査」によると、全国の私立中学に通う子どもの学校外活動費は年間36万7776円です。一方で公立中学は36万8780円であり、学校外活動費は、公立・私立の差はほとんどありません。 私立中学にかかる費用の平均が97万176円であることから、入学初年度に私立中学の子どもにかかる教育関連費用は総額133万7952円です。年収500万円とすると、そのうちおよそ26.8%を子どもの教育費に使っている計算になります。 日本政策金融公庫の調査によると、世帯年収に占める在学費用(子ども全員にかける費用の合計)の割合は平均で14.9%となっており、一人の子どもに26.8%かけるのはかなり高い数字であることが分かります。