石破首相、企業・団体献金「不適切だと考えない」 衆院代表質問
石破茂首相は2日の衆院本会議で、所信表明演説に対する各党の代表質問に臨んだ。与党が大敗し過半数割れに追い込まれた衆院選後初めての本格論戦。立憲民主党の野田佳彦代表が企業・団体献金の禁止を求めたのに対し、首相は「我が党は企業・団体献金自体が不適切だとは考えていない」と述べ、否定的な考えを示した。外交安全保障や経済対策などでも従来の政府見解を繰り返した。少数与党で厳しい国会運営が予想される中、慎重な答弁に終始した。 首相は政治献金について「避けなければならないのは政策がゆがめられること」と指摘した上で、「個人献金も企業・団体献金も違いはない」との認識を示した。「企業・団体献金をなんら議論していないというものではない。引き続き真摯(しんし)な議論をしていく」とも答弁したが、禁止には後ろ向きな姿勢を示した。 首相はまた、使途公開が不要だった政策活動費を廃止する法案を国会に提出すると表明。「もはや従来の政策活動費ではなくなる」と強調したものの、外交上の秘密、支出先のプライバシー、営業秘密の侵害などを理由に、一部支出は「公開の方法に工夫が必要」との認識を示し、例外があることを認めた。 事業規模約39兆円の総合経済対策は、デジタル投資などの成長力強化、能登半島の復旧復興などの施策を積み上げた結果と説明。妥当性を強調した。 「米国第一主義」を掲げるトランプ次期米大統領と向き合う日米関係では「米国も日米安保体制から戦略上大きな利益を得ている。率直に意見を交わし、両国の国益を相乗的に高め合う」との方針を示した。 所得税がかかり始める「年収103万円の壁」や、暫定税率廃止を含むガソリン減税を巡っては、経済や税収への影響があるとして「今後各党でさらに議論を深めていただきたい」と述べた。 3日は衆参両院で代表質問が行われる。【村尾哲】