台湾が九州に計画の半導体工業区 郭経済相「いまだ構想段階」 前向きな姿勢示す
(台北中央社)経済部(経済省)が九州に設置を計画している半導体関連の工業区について、郭智輝(かくちき)経済部長(経済相)は11日、いまだ構想段階にあるとした上で、まずは台湾メーカーの支援などを行う管理会社を設立し、同時に二重課税の解消や輸入原材料の免税といった税制上での優遇を獲得できればと述べた。 台湾のニュースチャンネル「三立ニュース」の単独インタビューで言及した。郭氏は、日本は保守的な国であり、円滑なやり取りが成立する前に工業区の設立が受け入れられるのは不可能だとコメント。日本の国会議員や経済産業省、外務省が計画の概念を容認できるかどうかも調べる必要があるため、現時点では構想に過ぎないと語った。 「台湾と日本は相互に補完する関係にあると言える」と話した上で、日本は基礎的な研究に強く、半導体材料や設備は優位にあるものの、生産の経験は不足していると指摘。一方台湾は製造の面でサプライチェーン(供給網)を有しているが、エンジニアが不足しており、台湾の企業が日本で求人を行うのも簡単ではないと説明した。 半導体関連企業の集積により、1980年代から「シリコンアイランド」と呼ばれるようになった九州。半導体受託製造世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が熊本県に工場を進出させたことが呼び水となり、経産省の機関や地元自治体などがシリコンアイランドの「復活」に向けた計画を示している。郭氏はこれらの計画内容を改めて確認したと明かし、まずは管理会社の設立ができればと話した。 (蘇思云/編集:田中宏樹)