JR東日本が「推し活」ニーズを開拓、応援広告を募る新たなECサービス「推しSta!」とは?
ファン同士で資金で集めて“推し”の広告を出稿する――。こんな「応援広告」の取り組みにファンが少額からでも参加できるサービス「推しSta!」を、JR東日本が6月13日から開始した。ECサイト上でのいわゆる共同購入の形式を採用する。
「推しSta!」はJR東日本の駅ポスターや商業施設などの広告枠を活用して、応援広告を掲載するもの。応援広告は共同購入の形を採用し、対象となる“推し”の複数のファンからの出稿希望を募る。また、“推し”となるアーティストや企業とのコラボレーションとして、素材提供などを受け公式な応援広告を実現する。 「推しSta!」の応援広告は、応援広告に特化したECサイト「Cheering ADオンライン」で販売する。「Cheering ADオンライン」はジェイアール東日本企画が2023年4月に開設した。 ECサイトでは、たとえば「〇〇駅 B0駅ポスター 4万円/7日間」といったように枠ごとに販売しているが、「推しSta!」対象のサービスは「1口いくらから参加可能」といったように複数のファンからの申し込みを受け付ける。
第1弾の取り組みとして、女性アイドルグループ「虹のコンキスタドール」(ディアステージ所属)と公式コラボの応援広告を売り出している。1口1万円(税別)でJR東日本・池袋駅の改札外のB0ポスター掲出を最少催行数23口で募集。6月19日まで募集しており、掲出期間は7月9日から7月15日を予定している。ポスターには出資者のニックネームも掲載する。
JR東日本では今後の予定として、ももいろクローバーZの佐々木彩夏さんがプロデュースする女性アイドルグループ「浪江女子初組合」(スターダストプロモーション所属)の企画を予定。そのほか、さらにさまざまなアーティストなどとコラボレーションしていくとしている。
ジェイアール東日本企画が2023年3月に公表した「推し活・応援広告調査」では、“推し”がいる層の約4割は「推しの布教意向がある」ことがわかった。布教意向を持つユーザーの5割は応援広告を認知しており、そのうち4割が実施意向、1割は既に応援広告の出稿経験があるという結果だった。また、応援広告の出稿経験があるユーザーは平均で年約6万円の出稿費を出していた。