まさかの根性論?!革命を起こし続けた神奈川の強豪が新たに求める意外な強さ
そう語ると、志賀監督は近年のチームの戦いぶりを振り返った。 「ベスト4に勝ち上がった2022年世代は、歴代でも本当に劣っている部分が多かった。だから指導者からの注文も多くなってしまい、主将、副主将は負担が多かったと思います。けど彼らが中心になって、心のつながりを持てる世代だった。『簡単に負けてなるものか』という気持ちが強かったと思います。だから夏は初戦から逆転勝ちでベスト4までたどり着いた。 一方で、2023年世代は、ベスト4経験者が多くて実力があった。だから春の県大会も8強まで勝ち上がりましたし、オープン戦もそれほど負けなかった。けど、夏は4回戦で負けた。思わぬことへの対応力が低かったんですよね。それもあったから、今年の3年生から厳しい練習をやるようにしたんです」 主将・田畑智大内野手(2年)たちが入学してからスタートしたことで、最初は慣れない練習に「反動が大きかった」という。しかし、「本気を知るって難しい」ということも踏まえて、志賀監督は取材日には厳しいノックを打ち、選手たちは必死に食らついて、心を鍛えさせている。 この指導に田畑主将は、前チームから出場している目線から「春に武相に負けたのは、勝負所のプレーですし、神奈川を制するチームは打席でしっかり仕事を果たせる土壇場の強さを感じた」とライバルたちの強さを話す。だから余計に「心の耐力という言葉は普段から良く使っていて、チームに浸透している」と語り、新チーム発足時から全員が勝負所での気持ちを意識していたそうだ。 だから、「うまく活用したい人は使って、数字と向き合っている人はいる」と田畑主将は話すが、「1年生、そしてこの前の夏に負けて『このままじゃあダメだ。これまでと同じことをやっても、同じ結果になる』と思って、リスクはありますけど、これまで以上の結果を狙って試行錯誤しています」と厳しい練習には納得して取り組んでいるという。