【独自解説】不信任案可決へ― 辞職か、議会解散か…斎藤知事に残された『4つの選択肢』 ここに至る全ての原因は初動?専門家指摘「当時の知事は“戦闘状態”みたいな感覚」「常識から外れてしまうぐらい発想が歪んでしまった」
Q.斎藤知事は、なぜ初動で失敗したと思いますか? (白鳥教授) 「一つは恐らく、公益通報者保護制度に対する理解が非常に少なかった。もう一つは、権力を持っている知事ですので、『自分が圧力をかければ有耶無耶にできるだろう』あるいは『告発自体を潰していこう』という意図もあったのではないでしょうか。そこが『嘘八百』『公務員失格』などと断じているところにあるように思います」 (野村弁護士) 「私は、この初動に関しては、全く反論できないほどの失策だと思います。ただ、やり方がまずかったですが、あえてそのときの斎藤知事の気持ちになって考えるとしたら、『自分は物凄く厳しい改革をしようとしている』という発想があったのではないかと思います。 日々、『突き進めば突き進むほど必ず逆風が吹いてくる、反論が出てくる、だから自分は戦わなければいけない』という思いの中で改革に取り組んでいたので、告発が出てきたときに『嘘八百並べて自分を落とそうとしている』と思い込み、常識から外れてしまうぐらい発想が歪んでしまったことが原因ではないかと思います。 また、公益通報者保護法の話で、『探索をしてはいけない』ことについて議論されていますが、あれは最近の法改正があったときに、探索を防止するための体制を整えるという体制整備義務が設置されたんです。 でも、これに兵庫県が追いついておらず、体制が整っていなかった。だから、“やるべきことをやらなかった”というよりは、“まだできていないけど、法改正があった以上は、その趣旨に則って、もっと慎重にすべきだった”という議論になっているんだと思います」 Q.それにしても、斎藤知事のやり方はあまりにも強引だなと思ってしまいますが…。 (白鳥教授) 「知事は一人が選ばれてしまうので、そこで自分の権力を見失ってしまったのではないでしょうか。自分が権力者だということに溺れてしまったところがある。斎藤知事が常に言っているのは、『県民の負託を受けた』『85万票がある』と。でも、それは3年前で、この話が出る遥か前の話です。この話が出てからは、負託があるかどうかも怪しいと思います」
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