「半沢」効果も? 日銀大阪支店の見学者が急増
日本銀行、略して「日銀」。お堅いイメージで、近づきがたい印象のある日銀ですが、約1年前から日銀大阪支店(大阪市北区)の行内見学者が急増しています。2012年度になって初めて3千人を突破。2013年4月から11月までの見学者もすでに3537人(前年同期比約75%増)と伸びており、このペースでいけば2013年度見学者は5千人をうかがう勢い。人気の背景には、安倍政権の経済政策「アベノミクス」の影響や、銀行を舞台としたテレビドラマ「半沢直樹」のヒットなどがあるのかもしれません。
レトロな外観の「辰野作品」
日銀の業務は日本銀行券(いわゆる紙幣)発行・管理や、政策金利(旧公定歩合)の決定などのほか、アベノミクスと連動した「異次元の金融緩和策」もリードしています。また日銀の当座預金を使って金融機関同士が決済するため「銀行の銀行」ともいわれ、金融関係者以外には縁遠い場所に思えます。しかし日銀大阪支店の見学者は2011年度は2千人台だったのが、2012年度になって3120人に増加。今年度も順調に伸びており、来年1月まで予約がほぼ埋まっている人気ぶりです。大阪支店は明治建築のレトロな外観で、観光スポットしても最近口コミサイトなどで評価が高く、「昨年後半から見学者が増えてきた実感がある」(大阪支店)といいます。 日銀大阪支店は堂島川と土佐堀川に挟まれた中之島にあり、御堂筋をはさんで大阪市役所の向かいに位置します。特に旧館は明治36年(1903年)に建設され、「ネオ・ルネッサンス様式」と呼ばれる石造りの重厚感ある建物として知られます。設計者は19世紀末から20世紀前半にかけて活躍した建築家、辰野金吾氏です。辰野氏は赤レンガ造りの東京駅丸の内駅舎の設計を手がけたことでも有名で、昨年10月に同駅舎の復原工事が完成したことで辰野作品である同大阪支店も再注目されました。同支店では「最近テレビや旅行雑誌などのマスコミに取り上げられことが多く、口コミもあって日銀の業務に興味を持つ人が増えたようだ」と話しています。