秋に植えて春に収穫できる!イチゴ、エンドウ、タマネギなどの「冬越し野菜」を始める前に知っておきたいこと
家庭菜園で人気のイチゴやエンドウ、タマネギは、秋に植えて春に収穫する「冬越し野菜」です。春に向けてじっくり育つので、ゆっくり効果を発揮する有機肥料と相性抜群! 春の収穫を楽しみましょう。『やさいの時間』10・11月号では、有機肥料を使って冬越し野菜をおいしく育てる方法を大特集しています。 ここでは栽培前に知っておきたい「冬越し野菜」の仕組みについてご紹介。10・11月号から、一部抜粋してお届けします。
栽培期間は秋~春・初夏
冬越し野菜とは、中間地*の露地では、秋に栽培を始めて春から初夏に収穫する野菜のことです。エンドウ、ソラマメ、タマネギ、イチゴなどが代表格で、年間の気温差の大きい温帯地域が原産地の野菜。 *中間地は福井県、関東甲信・東海・近畿・中国地方、九州北部を目安としています。 低温を感じて花芽(はなめ)を作る性質があり、秋から冬の寒さが不可欠です。その一方で暑さに弱く、エンドウ、ソラマメは夏の前に枯れ、タマネギは球根の形で休眠。イチゴは実がつかなくなります。
"収穫の春"が待ち遠しい
春に寒さがゆるむと、急速に成長します。マメ類とイチゴは次々と花を咲かせてにぎやかになります。生育適温はおおむね15~20℃で、春から初夏にかけてが成長期&収穫期。"収穫の春"を存分に楽しみましょう。 冬越し野菜のもう一つの魅力は、冬はほとんど手がかからないこと。生育が停滞し、病害虫の被害も少なくなります。
マメ類は寒さと友達?
寒さを上手に利用するのが、エンドウとソラマメです。ソラマメのほうがやや寒さに弱いですが、どちらも耐寒性が強いサイズであれば、防虫ネットで霜をよける程度で冬越しできます。低温で花芽ができるので、冬の寒さは織り込み済み。春に勢いよく成長しますが、25℃以上になると草勢(そうせい)が衰えます。
タマネギは苗選びを慎重に
植物としてのタマネギは、寒さに当たってとう立ち(花芽ができて花茎が伸びること)するのが本来の姿です。しかし、とう立ちすると堅い芯ができて食べられなくなるので、野菜としてのタマネギは、とう立ちはNG。とう立ちしないサイズの苗を植えつけて、冬の間にしっかり根を張らせることが栽培のコツ。春になると、球の肥大が始まります。