株価下落時の本当の対処法とは…投資初心者必見「NTT株暴落」「エヌビディア株高騰」から考える「新NISA」の点検表
6月18日の終値は145.5円
「新NISA」のスタートから半年。東京株式市場では軟調な相場が続いているが、それを象徴するのがNTT株の暴落である。一体どこまで下がるのか、下落への対処法と「NISA」に対する向き合い方は――。プロたちによる、株初心者のための“点検表”。 拡充されたNISA 岸田文雄総理は昨年6月、次のようなメッセージを出している。 「今年を『資産所得倍増元年』とし、『貯蓄から投資へ』のシフトを大胆かつ抜本的に進めていきます」 そのための施策の一つが2014年にスタートしたNISA(少額投資非課税制度)である。 通常、投資で得られる利益には約20%の税金がかかる。例えば、100万円で買った株が110万円に値上がりしたところで売却すると、売却益は10万円。その20%、2万円分の税金を差し引いた8万円が手取りとなる。NISAは、「その税金をなしにするのでどんどん投資して」と政府が促す制度だと言っていいだろう。しかも、14年に始まった旧NISAでは非課税期間に期限があったが、今年1月にスタートした新NISAではそれが撤廃されて無期限に。さらに、年間投資枠は「つみたて投資枠」120万円と「成長投資枠」240万円の計360万円、生涯投資枠も1800万円、と大幅に拡充された。 6月12日に金融庁が発表したところによると、今年3月末時点でのNISAの口座数は2322万7848口座。NISA口座を通じた今年1~3月の買い付け額は6兆1791億円で、うち成長投資枠が5兆1355億2762万円、つみたて投資枠が1兆435億9989万円だったという。商品別では投資信託が56.7%で、上場株式は40.2%。三菱UFJアセットマネジメントが運用するインデックス投信「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」、通称「オルカン」の圧倒的な人気が伝えられるが、成長投資枠で上場株式を買っている人も多いことが分かるのだ。 NTT株の暴落 そんな「NISA勢」に人気の個別株の一つが、わが国を代表する通信会社「NTT」の株である。「株式会社QUICK」の調査によると、ネット証券5社における今年4月のNISA経由のNTT株購入額は149億円で個別株首位。保有残高は641億円で3位であった。 目下、そのNTT株が“危機”を迎えている。
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「週刊新潮」2024年6月27日号掲載