選挙後の株価上昇は現実から乖離…ウォール街で最も弱気なエコノミスト、「ゾンビ企業」増加を警告(海外)
トップエコノミストのデビッド・ローゼンバーグは、大統領選挙後の株式市場の上昇は、市場のファンダメンタルズを反映していないように見えると述べた。 彼は、近年の「ゾンビ企業」増加傾向など、企業弱体化の兆候を指摘している。 株式投資家はトランプ大統領の企業優遇政策を楽観視し過ぎている可能性があるとローゼンバーグは話している。 エコノミストのデビッド・ローゼンバーグ(David Rosenberg)によると、ドナルド・トランプ(Donald Trump)の大統領選挙勝利に煽られた株式市場の上昇は、ますます現実から乖離しているように見えるという。 ローゼンバーグ・リサーチ(Rosenberg Research)の創設者であるローゼンバーグは、選挙後の株式市場の上昇に懸念を表明した。2024年11月5日にトランプ大統領が再選を果たした翌週、主要株価指数が新たな最高値を記録したことを受けてのことだ。 ローゼンバーグは11月12日の顧客に宛てたメモで、「株価の急騰は、アメリカ企業の抱える問題を示す重要な兆候を無視している」と述べ、特に 「ゾンビ企業 」に言及した。「ゾンビ企業」とは高額の負債を抱え、利息の支払いをカバーするだけの収益を上げられない企業を指す。その数は過去10年間で増加している。 AP通信(Associated Press)の分析によると、2023年には世界全体で約7000社の上場企業が「ゾンビ」に分類され、そのうち約2000社がアメリカにあるという。これは10年前にアメリカで記録されたゾンビ企業の数より約30%多い。 ローゼンバーグは「この傾向は信用市場にとって憂慮すべき兆候であり、多くの小型株企業がすでにゾンビ企業の仲間入りをしている」と述べた。 「『ゾンビ企業』現象の懸念すべき復活が始まっている。ラッセル3000のうち、およそ600社が現在『ゾンビ企業』の仲間入りをしており、これは世界金融危機(Global Financial Crisis)が勃発する前よりも約50%増加している」とローゼンバーグは話す。
Jennifer Sor