【老後の年金】年金支給額は最高でいくら?保険料による老後の年金額への影響を解説
給与明細を見てみると、すでに定額減税による減税が終了し、例年どおりの数字が記載されるようになってきた人も増えているのではないでしょうか。厚生年金保険料や社会保険料の負担の大きさを、定額減税後にあらためて知った人もいるでしょう。 ◆【写真全4枚】公的年金の仕組みを図表で解説。記事内で公的年金の最高受給額を計算 年金保険料は、私たちが将来受け取る年金額に大きな影響を与えます。保険料を適切に納めていないと、満足な金額の年金を受け取れません。一方、すべて適切に納めていれば、相応の金額が支給されます。 果たして、年金は最高でどれくらいの金額を受給できるのでしょうか。そもそも、年金には「満額」という概念はあるのでしょうか。この記事では、公的年金の受給額について、国民年金・厚生年金に分けて解説します。最高受給額や支給上限額についても解説するので、ぜひ参考にしてください。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
公的年金の仕組み
日本の公的年金の仕組みは、以下のように「2階建て」とよばれています。 1階部分は、20歳から60歳までの国民全員が加入する「国民年金」です。原則65歳から「老齢基礎年金」として、納めた保険料をもとに支給されます。 2階部分は、会社員や公務員などの第2号被保険者のみ加入できる「厚生年金保険」です。こちらも支給は原則65歳からで「老齢厚生年金」として支給されます。支給額は、給与や加入期間などによって決まります。 では、老齢基礎年金の満額はいくらなのでしょうか。また、満額受給のためには何が必要なのでしょうか。次章で解説します。
老齢基礎年金の満額と満額受給の要件
2024年度の老齢基礎年金の満額は81万6000円です。 年金受給額は毎月物価や賃金の変動に合わせて改定されています。2024年度時点では81万6000円ですが、2023年度は79万5000円でした。現役世代の人が将来年金を受け取るときには、金額がいくらか変動している可能性があるでしょう。なお、老齢基礎年金は満額以上の金額は受け取れません。 また、満額受給するためには、国民年金に40年加入し、保険料を480月分納める必要があります。 老齢基礎年金の受給額は、以下の計算式で求めます。 ・老齢基礎年金の受給額=その年の基礎年金満額×(保険料納付済月数+全額免除月数×4/8+4分の1免除月数×5/8+半額納付月数×6/8+4分の3納付月数×7/8)÷40年×12月 分母は保険料額やその年の満額受給額にかかわらず、480月です。よって、満額受給するには国民年金に40年加入し、保険料納付済月数が480月納めるしかありません。 加入年数が36年のように40年に満たない場合や、保険料納付期間が460ヶ月のように480月に満たない場合は、上記の式に基づき満額からいくらかが減額されます。 ●国民年金を満額納めていない場合はどうする? では、もし国民年金の加入年数が40年に満たなかったり、保険料を480月納められなかった場合は、任意加入制度を活用して満額受給を目指しましょう。 任意加入制度は、特定の条件に当てはまる場合、60歳以降も国民年金に加入して保険料を納めて、受給額を満額に近づけられる制度です。任意加入できる条件は、以下のとおりです。 〈任意加入制度の加入条件〉 以下の条件をすべて満たす人が加入できます。 ・日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の人※日本国籍を有しない人で、在留資格が「特定活動(医療滞在または医療滞在者の付添人)」や「特定活動(観光・保養等を目的とする長期滞在または長期滞在者の同行配偶者)」で滞在する人を除く ・老齢基礎年金の繰上げ支給を受けていないの人 ・20歳以上60歳未満までの保険料の納付月数が480月(40年)未満の人 ・厚生年金保険、共済組合等に加入していない人 加えて、以下に当てはまる人も加入できます。 ・年金の受給資格期間を満たしていない65歳以上70歳未満の人 ・外国に居住する日本人で、20歳以上65歳未満の人 任意加入すれば、60歳時点で加入年数が480月に満たなかったり、保険料を480月分納めていなかったりしても、年金受給額を満額に近づけられます。保険料を納められる余裕がある人は、任意加入して年金額を増やしましょう。