田家秀樹が語る、吉田拓郎が今伝えたい選曲を収録したセレクション・アルバム
70年代という時代を作ったのは吉田拓郎
静かな伝説 / 竹内まりや 流れているのはこの番組の後テーマ、竹内まりやさんの「静かな伝説」。竹内まりやさんが拓郎さんのファンで、拓郎さんが結婚したときに泣いたというエピソードが、これは広く知られておりますね。サザンオールスターズにも、「吉田拓郎の唄」という曲があります。 先日、私の新刊「80年代音楽ノート」のプロモーションということで、『週刊プレイボーイ』のウェブ版かな。スージー鈴木さんという、今あちこちでいろいろな音楽のことを書かれている評論家の方と対談したんですね。スージーさんはもう80年代の本を10冊くらい書いている人で、70年代のことはちょっと幼かったからとその頃のことをいろいろ訊かれて、僕の仕事の姿勢みたいなことまで訊かれたんです。で、今FM COCOLOでやっている「J-POP LEGEND CAFE」という番組は、自分の中でのJ-POPの殿堂のつもりですって言ったんですね。アメリカにロックの殿堂があるように、自分も“ひとりJ-POPの殿堂”みたいな気分で仕事をしたい。この人は殿堂入りするかなとか、もうしてるなとか、させたいなとか思いながらそういう人たちのことを書いたり、語ったりしたいんだと。そしたらスージーさんがいきなり「第一号殿堂入りは誰ですか」って訊かれたんですね。僕は間髪を入れずに答えましたね。「それはやっぱり拓郎さんでしょう」ということで、その後拓郎さんの話でいろいろ盛り上がったのですが、そういう人です。少なくとも70年代という時代を作ったのは吉田拓郎さんですね。 過去を振り返らず、多くを語らない。でも、あまり音楽についてスポットが当たってこなかった。そのことを拓郎さんが今どう思っているのかなということも、このライナーを読むことでわかっていただけるのではないかなと思います。そういうこだわり方が随所に見られる、そんなセレクション・アルバム。彼が自分で曲を選んでライナーも自ら書いております。自分で書かれたアルバムがフォーライフ・レコードから出るのは、26年振りなんですね。そういうことも頭に入れながら聴いていただきたい、そんなアルバムでもあります。 来週はDisc2のご紹介です。 <INFORMATION> 田家秀樹 1946年、千葉県船橋市生まれ。中央大法学部政治学科卒。1969年、タウン誌のはしりとなった「新宿プレイマップ」創刊編集者を皮切りに、「セイ!ヤング」などの放送作家、若者雑誌編集長を経て音楽評論家、ノンフィクション作家、放送作家、音楽番組パーソリナリテイとして活躍中。 「J-POP LEGEND CAFE」 月 21:00-22:00 音楽評論家・田家秀樹が日本の音楽の礎となったアーティストにスポットを当て、本人や当時の関係者から深く掘り下げた話を引き出す1時間。 OFFICIAL WEBSITE : OFFICIAL Twitter :@fmcocolo765 OFFICIAL Facebook : @FMCOCOLO radikoなら、パソコン・スマートフォンでFM COCOLOが無料でクリアに聴けます! →
Rolling Stone Japan 編集部