攻撃練習で突破を狙う藤枝の矢村（カメラ・里見　祐司）

　Ｊ２藤枝ＭＹＦＣは４日、ホーム・栃木戦（７日）に向け焼津で調整。前節、自身初のシーズン１０点目を決めたＦＷ矢村健（２７）がさらなる自己記録更新を誓った。 　昨季、チームトップの９得点を挙げた藤枝のエース矢村が、今季は２９戦目で大台に乗せた。１日のアウェー熊本戦（２〇１）の前半４０分にＰＫを決めて先制。後半にも強烈なシュートを放って追加点を呼び込み、全２得点にからんだ。 　もちろん満足はしていない。「１０得点がゴールじゃない。熊本戦は１点しか取れなかった。シュートの精度を上げないと」と反省を忘れない。栃木戦でも、どん欲にゴールへ向かって行くつもりだ。 　台風１０号をクラブ一丸で乗り越えた。悪天候に備えて、チームは８月２９日のうちに新幹線で博多へ移動。翌日にバスで鹿児島まで行き、キャンプ地にしている霧島で練習。３１日に熊本入りして本番に備えた。「新幹線に乗るのが２本遅れたら、ＪＲが完全に止まっていた」と須藤大輔監督（４７）は胸をなで下ろす。異例の４泊５日となったが、天然芝で練習することもできた。矢村も「準備してくれたクラブに感謝です。恩返しができた」と目を細めた。 　勝利を挙げて勢いもついた。栃木にも勝つ。「Ｊ２に昇格したシーズンに似ている。ここからまくっていく」と指揮官。ホームで勝ち点３を積み上げ、プレーオフ圏内（６位内）へ突き進んで行く。（里見　祐司） 　〇…ベテランＤＦ久富良輔（３３、桐陽高出）が熊本戦で全２得点にからんだ。前半４０分にゴール前で倒されＰＫを獲得。後半には矢村のシュートを相手ＧＫがはじいたところを蹴り込んだ。右ウィングバックを追い越して攻撃参加する積極性が奏功しており、「後ろのＤＦ２人やボランチがスペースを埋めてくれるおかげ」と仲間に感謝する。今季２得点で、１６年の４得点が自己最高。「あと２点は取りたい」と燃えている。 　〇…先月中旬にＪ２長崎から育成型期限付き移籍で加入したＤＦモヨマルコム強志（２３）が存在感を見せている。右ウィングバックとして熊本戦で初先発すると、矢のようなロングスローをゴール前へ何度も投げ込んだ。「（東福岡）高校時代からやってます。アシストを記録したこともあります」と笑い、監督も「大きな武器になる」と期待。この日の練習では右サイドから豪快なミドルを決めており、久富と息を合わせての突破に注目だ。