北山宏光、アグレッシブな活動の原動力は「おもしろいか、おもしろくないか」 再収録の「FORM」についても言及
■自身のルーツと語る「FORM」 ファンへの感謝も
また、本アルバムの通常盤には、6月に東京・有明アリーナで開催した単独コンサート『RANSHIN』で歌唱して話題となった、「FORM」がボーナストラックとして収録されている。初めて自身が作詞・作曲を手がけた楽曲を、セットリストやアルバムになぜ収録したのだろうか。 「僕以上に、(ファンの)みんなが大事にしてくれていたんじゃないかな。僕も知らないところで曲が育っていたような感覚。ファンの方が喜んでくれることは何だろうって考えた時に、この曲が浮かびましたね。当時の歌詞を見返すと『俺、青いな(笑)』と思うけど、『それも俺だよな』『これはこれでひとつの正解なんだ』と思って歌っています」と照れ笑い。 「この曲を作った21歳の自分の考え方は当然今と違う部分もあるし、でも自分のルーツの部分でもある大事な曲。『ZOO』の本編ではなく、ボーナストラックに置いたのも自分の中では意味のあることですね」。 ■変化した活動への想いと姿勢 ソロ活動の発表から一年、活動に対する責任や重みに変化はあったか聞くと、北山は「制作はみんなと相談しながら進めるんですけど、自分で決める部分が大きくなった。それが大きく変わったこと」と告白。「制作の時間がかなり増えたし、ゼロからイチを作る作業がものすごく増えた。大変も楽しさも両方感じていて、やりがいがありました」と振り返る。 ソロ活動に関しては、「まだ一年。“種まき”の段階です。目をつぶって開いたら一年経っていた感じがする。大変だなと思うこともあるけど、見てくれる人がおもしろいと思ってくれることが大事だから、体力どうのこうのは二の次ですね」と言葉に充実感をにじませる。 事務所はファミリー感も魅力だが、「みんな平均的に仲が良い」と話す。「後輩のIMP.とは一緒に飯食べに行ったりとか飲み行ったりとかするし、(Number_iの)岸(優太)ともご飯行こうって話している。けど、(三宅)健君はまだ自分から誘えてないですね(笑)」。 「そういえば、健君から『今カフェにいる?』って連絡が来たことがありました。同じカフェにいると思ったみたいだけど、違う人だったみたいで(笑)。でもそんな連絡をくれたことがうれしかったですね」と笑顔を見せた。 ■30代ラストイヤー突入「やり残したことはめっちゃある(笑)」 常に挑戦し続けている北山。今後チャレンジしてみたいことを聞くと、「アウェーなところでマンパワーだけでぶつかっていきたい。たくさんのカードを持ってフェスにも行ってみたい」と目を光らせる。 チャレンジへの不安はないか確認すると、「ワクワク先行で動き出して現実を知って不安になることはよくあります(笑)。でもそれぐらいの勢いというか。せっかくこういう仕事しているんだから楽しくしないとね。周りから見たら“北山、また何かと戦ってるな”となるかもしれないけど、それは昔からずっと言われていたし、スタイルは変わっていない」と芯の強さを見せる。 戦い続ける原動力については「おもしろいか、おもしろくないか」ときっぱり。「動いていないと水も腐る。僕は動く方を選択する」と挑戦こそ、自身の活動の源と断言する。 そんな北山も今年で39歳となる。30代でやり残したことはないかを聞くと「走り続けて気づいたら30後半になっていたから、やり残したことはめっちゃあるんじゃないかな。でも思った以上に毎日生きるのに必死で、気付いていない(笑)。だから“あれやりたい”“これやりたい”を、たぶん死ぬまでやっていると思います」。 それだけ活動が充実していることかと水を向けると、北山は「そうですね。あれやらなきゃこれやらなきゃと、いつも追っかけられている。動いてるってことなのかな」と笑顔で応じた。 取材・文:遠藤政樹 撮影:筒井翼