おいしさに感銘受けて 竜峡小梅砂糖漬け おばあちゃんの味を商品化【長野県飯田市】
長野県飯田市下久堅柿野沢の宮内勲さん(88)が作る竜峡小梅の砂糖漬けが「さとうこうめ」として商品化され、今秋から都内のイベントや飯田市内の店頭、ネット上で販売される。 農村の担い手をつくろうと、10~20代に向けてPR活動を行う横浜市の合同会社「NIPPON TABERU TIMES」代表の田丸さくらさん(26)=東京都港区=と竜峡小梅の生産者、加工業者、農産物直売所などでつくる飯田市下久堅地域づくりプロジェクトチームの事業として具体化。初回は50キロ分を漬けた。 田丸さんは学生時代、当時はサークルとしてウェブメディアを運営していたNIPPON TABERU TIMESの取材で下久堅を訪れ、宮内さんがおやつとして振る舞った氷砂糖漬け竜峡小梅のおいしさに感動。以来、学生向けの梅漬け体験ツアーを開くなどして宮内さんらと交流を重ねてきた。 さとうこうめは「なんにもないけど…」とお茶うけに出す「おばあちゃんの味」が、本人の考える以上においしく、魅力があることを広く伝えよう―と商品化。龍江の農産直売所あざれあに加工を依頼し、程よい甘さと香り、ほのかな酸味のある商品に仕上げた。 まずは11月2、3日に都内で開く「渋谷区くみんの広場 ふるさと渋谷フェスティバル」でお披露目し、同月9、10日に港区で開かれる「東京グルメマーケット」でも販売する。 その後はあざれあ、ウェブサイトでも販売し、飯田の住民が手土産にしたくなるような定番商品に育てたい考え。 チャック付きのパッケージやポスターには梅模様のワンピースを着た若い女性「さとうこうめ」をイメージキャラクターとして載せた。「東京から飯田に戻り、祖母の味を継ぎたいと思うようになった」というストーリーとともに、飯田の魅力とふるさと回帰の価値を発信するという。 宮内さんは「まさかこんなすてきなスタイルのものになるとは」と商品化を喜んでいる。田丸さんは「地域に根付いた取り組みとして続けたい」と話している。 200グラム入りで税別700円。