月100万円のがん治療、自己負担3割なら30万円だが…70歳未満・年収500万円の人が「高額療養費制度」で取り戻せる“驚きの金額”【医師が解説】
治療後、申請を忘れていた場合は諦めるしかない?
O:治療を受けてしばらくたってからこの制度のことを知ったとか、知ってはいたが忙しかったり、うっかりしていたりして、申請するのを忘れていたという場合は、諦めるしかないのでしょうか? 勝俣:心配しなくても大丈夫です。高額療養費の支給を受ける権利は、診療を受けた月の翌月の初日から2年間です。この2年間の高額療養費であれば、過去にさかのぼって支給申請をすることができます。 O:それを聞いて安心しました。もっとほかに治療費の負担を軽くする仕組みなどはありませんか? 勝俣:下の図でも解説していますが、あらかじめ医療費が高額になるとわかっている場合には、「限度額適用認定証」を取得しておきましょう。それがあれば、医療機関での窓口支払い時に、支払いが最初から自己負担限度額までになります。要するに、高額医療費支給の申請をいちいちしなくても済むというものです。これも、加入している医療保険の窓口に申請することで、取得することができます。 また、世帯合算という仕組みもあります。これは同じ医療保険に加入していることという条件がありますが、1人1回分の支払い額が自己負担額の上限を超えない場合でも、同じ世帯の人がそれぞれに支払った自己負担額を1か月単位で合算して、それが一定額を超えたときは、その分を高額療養費として支給してもらうというものです。詳しいことは、加入している医療保険に問い合わせてください。 O:高額療養費の支払いに関しては、いろいろと助かる仕組みがあるのですね。利用しないと損ですね。 勝俣 範之 日本医科大学武蔵小杉病院腫瘍内科 教授/部長/外来化学療法室室長
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