川村昌弘が手首の故障で休養へ 欧州ツアーの公傷制度利用「今は上を目指せない」
“旅人ゴルファー”川村昌弘が右手首の故障により、長期の休養に入ることを明らかにした。予選落ちした前週の「アイルランドオープン」を終えて決断。約2年前に発症した痛みが長引いたままで、DPワールドツアー(欧州ツアー)の特別保証制度(公傷)を利用して離脱する。復帰時期は未定。自身のコラムで近況と見通しについて語った。 【画像】雲ひとつない空。川村昌弘がピラトゥス山の山頂から撮影 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ プロゴルファーの川村昌弘です。 いま僕はロンドンにいます。 DPワールドツアー(欧州ツアー)は今週、「BMW PGA選手権」を英国のウェントワースで迎えます。楽しみにしていた年に一度のフラッグシップトーナメントですが、今回はご報告があります。 先週の「アイルランドオープン」を最後に、しばらく試合から離れることに決めました。ここ1、2年、手首の故障をごまかしながら転戦を続けてきましたが、いったんここで区切りをつけて休養に入ります。
2022年1月、シーズンの序盤戦に右手首に痛みを発症し、長らく厳しいプレーを強いられてきました。試合に出続けることを優先して、インパクトのイメージを変えたり、クラブをすべてスイッチしたりと付け焼刃のような試行錯誤の繰り返し。1Wショットのキャリーが以前よりも30yd近く落ちても、離脱しない道を探ってきましたが、今の状態では上を目指すことが到底できないという考えに至りました。 アイルランドのリンクスコースでも自分にできること、自分の武器が本当に少なくなってしまったと実感しました。気温やコースのコンディションを考え、「この球を打ちたい」とイメージがわいた弾道が、今の手首の状態では打てません。最初に痛みが出たのは右でしたが、転戦でアジャストしていくうちに左も悪くなってしまいました。 暖かくて身体の動きが良い日は、自分のスイングスピードに右手首が耐えられず痛みが出て加減が必要になります。寒い日には動きが悪くなり、ウォームアップにも時間がかかってしまいます。ショットの前にはいつも「今の状態で、この打ち方に手首がついてくるのか」と考えなければいけなくなりました。このまま無理をすれば、シード権を守れたかもしれません。しかしここで休まなければ、毎年そういった状況で試合をこなすことになるでしょう。