「7年前に夫を亡くした」2児の母がビキニで魅せた ボディコンテスト世界選手権2位に
12月17日(火)から19日(木)の3日間、東京・有明コロシアムで開催されている『IFBB 世界フィットネス選手権&男子ワールドカップ』。2日目となる18日(水)に行われた、ビキニフィットネスの年齢別・身長別のクラスで、大工原真史(だいくはら・まふみ/42)選手は2つのメダルを手にした。 【写真】大工原真史選手の「世界2位」のビキニボディ
年齢別(40~44歳級)では2位の銀メダル、身長別(160cm以下級)では3位の銅メダル。2人の子どもたちや両親、親戚など家族が見守る中での挑戦だった。 「年齢別の方では安井友梨選手が優勝を飾りました。その横に立てたことが本当にうれしくて!身長別に関しては、まさか表彰台に上がれるとは思っていませんでした」と、今大会を振り返る。 7年前に夫を亡くし、シングルマザーとして2人の子どもを育てる大工原選手。小学6年生と中学3年生という、まさに「受験真っ只中」で、今年度は大会を休むつもりだった。しかし、どうしても『アーノルドクラシック・ヨーロッパ』(以下、アーノルド。今年の10月に開催)に挑戦したいという気持ちを捨てきれず、減量と調整を行っていた。 アーノルドでの結果は、マスターズで3位、身長別で9位。この結果を受けて、大工原選手は「もしかしたら、もう少し上に行けるかも」という気持ちが芽生えたという。この時点で、12月に行われる世界フィットネス選手権まで残り2カ月。この短期間でも最後まで諦めずに、脚のトレーニングを変えた。 これまでは、東京の『パーソナルジム・フルブローン』だけでトレーニングをしていたが、住まいがある長野県のジムに週1回通うようになり、ボディビルダーから脚トレを教わったそうだ。 「世界の舞台に立ったとき、脚が弱いと指摘を受けました。自分でもカットが出にくい、と課題に感じていて。残り時間は少ないけれど、何かを変えないと結果は変わらないと思ったんです」 この飽くなき探究心と諦めない心が、今大会の結果につながったのだろう。 「子育てもあるし、もう少し長い目で見ないと、世界で勝てる日は来ないかな?と心が折れかけたときもありましたが……諦めず挑戦してきて良かったです!」 そう話す大工原選手の声はとても晴れやかだった。
【JBBFアンチドーピング活動】JBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)はJADA(公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構)と連携してドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体で、JBBFに選手登録をする人はアンチドーピンク講習会を受講する義務があり、指名された場合にドーピング検査を受けなければならない。また、2023年からは、より多くの選手を検査するため連盟主導で簡易ドーピング検査を実施している。
取材:小笠拡子 撮影:中原義史