マルチェロ・ガンディーニの最高傑作のひとつ、ストラトス・ゼロも並んだ! 世界屈指のクルマの祭典、モントレー・カー・ウィークに見る世代交代
ひときわ目をひくウェッジシェイプ・カー!
今年も米カリフォルニアで世界屈指のクルマの祭典、モントレー・カー・ウィークが開催された。“世代交代”を強く印象付けたその中身とは? モータージャーナリストの西川淳がリポートする。 【写真7枚】マルチェロ・ガンディーニの手によるストラトス・ゼロほか、貴重なクルマがずらりと並んだモントレー・カー・ウイークの写真を見る ◆主役はヴィンテージカー、なのだが…… モントレー・カー・ウィーク、今年の印象を一言で表すと「進む世代交代」だろうか。ギャザリングやレース、オークションなど20以上のイベントがほとんど一週間にわたって開催され、最終の日曜にペブルビーチで開かれる「コンクールデレガンス」で大団円を迎える、その主役は相変わらずヴィンテージカー、という大筋はもちろん変わらない。 けれどもここ数年顕著だったスーパーカー&ハイパーカーの台頭や新興ブランドによるマーケティング攻勢は、今年のペブルビーチの“ベスト・オブ・ショー”ノミネート四枠のうち一つをランチア・ストラトス・ゼロが獲得するに至って、もはや流行り廃りではない、カー・ウィークの定番としてその地位を築いたように思う。どのイベントも最盛期のジュネーブ・ショーのような雰囲気で、“お金の匂い”があからさまに濃くなった。そしてその背景には若くして莫大な財を成した40、50代のコレクターや好事家の存在が透けて見えている。 筆者のように90年代からモントレーに通うスーパーカー世代は、嬉しいような寂しいような複雑な心境になる。25年前には「カウンタックのオーナーです」など恥ずかしくて口にも出せなかったのに、今ではそのカウンタックがペブルビーチに並んでいる。歳を重ねるとはそういうことだけれど、世界の奥深くを教えてくれたモントレーが、自分の知識や経験を語っていい場所になろうとは! 高額なチケット代を払ってでもじっくり見学する価値のあったイベントは、今年もやはり、日曜日のペブルビーチだけだった。そのペブルビーチにも20台近くの“ウェッジシェイプ”カーが並ぶ。ウェッジシェイプの歴史は60年代末のアルファロメオ・カラーボに始まる、というのが定説だが、ペブルビーチでは50年代のアメリカ車、例えばギア・ストリームラインX“ギルダ”クーペ(1955)にその萌芽を見出しており興味深い。 今年3月にマルチェロ・ガンディーニが逝去した。ストラトス・ゼロやフェラーリレインボー、カウンタック、チゼータといった彼の代表作が18番ホールに並んだ。気難し屋だった彼もきっと笑ったに違いない。 文・写真=西川 淳 (ENGINE2024年11月号)
ENGINE編集部
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