初競りマグロ2億700万円!…「2025年株高」のサインか【解説:エコノミスト宅森昭吉氏】
「辰巳天井、午尻下がり」巳年は日経平均上昇が期待される
「辰巳天井、午尻下がり、未辛抱、申酉騒ぐ、戌は笑い、亥固まる、子は繁栄、丑はつまずき、寅千里を走り、卯は跳ねる」という十二支と株価との関係を表す格言があります。データで確認すると、いくつか例外もありますが、おおむね格言どおりに株価が動いているといえそうです。 1950年から2024年のデータで日経平均株価・前年末比の75年間の平均をみると上昇率の平均は+11.1%です。12年に1度、暦の上で回ってくる十二支ごとの日経平均株価・前年末比の平均をみると、全期間の平均+11.1%を上回る十二支は、辰年(+26.7%)、子年(+22.5%)、卯年(+18.0%)、亥年(+16.5%)、酉年(+15.7%)、巳年(+13.4%)の6つです。 逆に+11.1%を下回る6つの十二支には平均で2ケタの上昇率はなく、最も高くても申年(+8.8%)です。次いで未年(+7.9%)、戌年(+6.2%)である。ほとんど横ばいに近い十二支は丑年(+0.8%)、寅年(+0.2%)で、いちばん低いのが午年(▲5.0%)で格言のなかで唯一「下がり」と下落を示唆されている十二支といえます。 米国では4年に一度大統領選挙が行われ、その前年にNYダウは上昇しやすい傾向があります。NYダウは上昇すると日経平均株価も上昇しやすい傾向があります。日本にも影響があるか確認してみると、米国大統領選挙の前年の十二支・3つのなかで、上昇率が高い十二支を6番目までに亥年と卯年の2つは入りますが、未年は含まれません。また米国大統領選挙の前年の十二支・3つのうち子年と辰年の2つは入りますが、6番目までに申年は含まれないので、米国大統領選挙の影響であるとは必ずしもいえません。 ただし、上昇率が高い十二支を8番目まで拡大すると、未年、申年も含まれるので、十二支と日経平均株価との関係には、4年に1度の米国大統領選挙が少なからず影響している可能性があるといえそうです。 最近12年間(2013年~2024年)の日経平均株価・前年末比は、75年全期間(1950年~2024年)の動きとほぼ同じ傾向です。不思議なことに、2ケタの上昇率となった年は、辰年、巳年、酉年、亥年、子年、卯年の全期間平均でも2ケタ上昇率の6つの十二支です。 2013年巳年+56.7%と2ケタ上昇後、14年午年+7.1%、15年未年+9.1%、16年申年+0.4%と3年間平均以下の上昇率にとどまりました。17年酉年+19.1%と4年ぶりに2ケタ上昇になり、18年戌年が▲12.1%の下落。19年亥年+18.2%、20年子年+16.0%と2年連続2ケタ上昇率となりました。21年丑年+4.9%、22年寅年▲9.4%ともたついたあと、23年卯年は+28.2%と跳ねました。24年辰年は+19.2%です。一つ前の12年辰年は+22.9%でした。「辰巳天井」といえそうです。 ※なお、本投稿は情報提供を目的としており、金融取引などを提案するものではありません。 宅森 昭吉(景気探検家・エコノミスト) 三井銀行で東京支店勤務後エコノミスト業務。さくら証券発足時にチーフエコノミスト。さくら投信投資顧問、三井住友アセットマネジメント、三井住友DSアセットマネジメントでもチーフエコノミスト。23年4月からフリー。景気探検家として活動。現在、ESPフォーキャスト調査委員会委員等。
宅森 昭吉