川沿いが"無法地帯"に!? 放置される船の不法係留 なぜ法律守らない?所有者を直撃「罪悪感、多少はあります」
今、愛知県の川で、船の違法駐車「不法係留」が横行しています。津波などの災害が起きると住宅街に流れ出してしまう危険もあるため、行政は頭を悩ませています。不法係留の実態を調査し、船の所有者にも直撃しました。 【動画】違法行為と自覚する船の所有者。河川に泊め続けるワケは【6分2秒~】
愛知県内だけで約1800隻 火災になるケースも
2024年8月、愛知県刈谷市の船の製造・販売を手掛ける会社の敷地で火事がありました。積みあがった船から炎と黒煙が上がり、県有地に延焼。約50隻の船が燃えたとみられています。 県によると、ほとんどの船が不法係留で、2024年6月以降、2度にわたって所有者に撤去するよう警告していました。 船を許可なく水上や陸上に置いておくことは、河川法で禁止されています。こうした不法係留は、愛知県内だけで約1800隻あるという数字が出ています(国交省2022年)。
不法係留の船がずらり "無法地帯"の蟹江川
あま市と蟹江町を流れる蟹江川は、不法係留の"無法地帯"になっています。看板には船を泊めることは禁止と書かれていますが、港のように約40隻の船が並んでいます。 (愛知県海部建設事務所・鳥居隆昭課長) 「この川は係留を許可していないので、不法係留です」 岸には、手作りの桟橋まで。こうした物を勝手に設置することも違法行為です。くいを打たれると護岸が弱くなったり、損傷したりするそうです。堤防沿いには住宅が建ち並び、洪水や津波が起きれば、流された船が二次災害を引き起こす恐れもあります。 (愛知県海部建設事務所・鳥居隆昭課長) 「(船が)堤防を越えて、家屋に影響を与えることは心配な点です」 すぐ隣の日光川にも"魔のエリア"が。約1.5キロにわたって70隻近い船がずらり。中には、沈没した船も。沈んでいる船は、オイルが漏れて海洋汚染につながる可能性もあります。 航空写真を見ると、1980年代まで船はありませんが、90年代になると多くの船が写っています。30年以上前から不法係留があったとみられますが、簡単には撤去できないワケが。 (愛知県海部建設事務所・鳥居隆昭課長) 「1隻あたり100万円前後(撤去費用が)必要になります。すべて税金になるので、あくまで(移動は所有者へ)お願いでやっています」 県は、所有者不明で油が流出する危険の高い船を優先的に撤去していますが、高額な費用がかかります。所有者が分かれば移動を指導していますが、ほとんどの所有者が応じないそうです。