川沿いが"無法地帯"に!? 放置される船の不法係留 なぜ法律守らない?所有者を直撃「罪悪感、多少はあります」
違法行為と自覚する船の所有者
番組は、船の所有者に話を聞きました。船を手作りの桟橋にロープで結びつけていた男性は、伊勢湾まで釣りに出ていたといいます。 (船の所有者) 「(看板に)書いてありますよね。違法だってことも分かっている」 違法行為の自覚はある男性。それでも正規の場所に泊めない理由を聞いてみました。 (船の所有者) 「最初は正規の場所に泊めていた。30年くらい前。料金が高い。駐車場の10倍ぐらい(の値段が)する」 くいや桟橋を利用していますが、自分で作ったものではないと話します。 (船の所有者) 「ここを使えと。(所有者で)グループみたいになっているので。壊れたら私が直す」 立入禁止の看板を無視して、船に向かう所有者も。堤防では、大規模地震に備えた治水対策の工事を実施していましたが、車を停止した男性は、現場へ入れないようにしたバリケードをずらして中に。男性は工事関係者ではなく、釣りに来たと説明しました。 男性は、翌週も同様にバリケードをずらし、立入禁止エリアの中に走り去っていきました。工事担当者は「許可はしておらず、侵入されていたことは初めて聞いた。工事現場に近づくことは非常に危険。今後は見回りを増やすなどの対策を検討したい」と困惑しています。
船を受け入れる"あき"がない 受け皿不足の現状
不法係留に悩まされているのは、行政だけではありません。愛知県飛島村の「飛島マリン」は、船を陸に上げるクレーンや、メンテナンスをする工場を備えている正規のマリーナです。 (伊勢湾陸運 マリン事業部・岡村純一常務取締役) 「業界自体のイメージが悪くなるし、ルールにのっとって遊んでほしい。船は(年間で)25万円~30万円くらいで預かれます」 飛島マリンでは、月に2~3万円と月額駐車場とほぼ同じ料金です。しかし、そもそも不法係留の船を全て受け入れるだけの"あき"が、周辺のマリーナにはないそうです。 (船の所有者) 「リーズナブルに公的な船を泊める場所があれば、そっちへ移る。罪悪感は、多少はあります」 (愛知県海部建設事務所・鳥居隆昭課長) 「受け皿を作らないと、問題は解決されないと思っています」 国は、不法係留ゼロを掲げていますが、全国に約5万隻と程遠いのが現実です。単に取り締まるだけでなく、船を泊められるところを増やすなど、根本的な対策が必要です。 CBCテレビ「チャント!」2024年10月31日放送より
CBCテレビ