想像がむくむく膨らむ! ねこと一緒にことわざを楽しく学べる『ねことわざ』【書評】
デスクでPCの作業をしていると、どうしてもねこ背になってしまう。ねこのように背中が丸くなるねこ背は、現代人がついついやりがちな姿勢のクセだ。首や肩、腰への負担がかかるから気を付けなければ……とここまでは知っていたのだが、内臓にまで悪い影響を与えるらしい。「へ~、そうだったんだ!」と身近な慣用句の豆知識を教えてくれたのが、『ねことわざ』(ぱんだにあ/KADOKAWA)である。 【漫画】本編を読む
本書は、ねこに関することわざや慣用句を4コマ漫画と一緒に楽しく学べる。「ねこをかぶる」「ねこの手も借りたい」「冬の雨が三日降ればねこの顔が三尺伸びる」など、馴染みのある慣用句からすこし難しいことわざまで、多種多様なねこにまつわる言葉の意味を知ることができるのだ。
しかし、ただ慣用句とことわざを紹介しているだけではない。意味を解説した後に「でも、ちょっと考えてみて」と読者に投げかけられるのだ。「たとえばこんなシチュエーションだったら?」「もっとこの言葉の意味を掘り下げてみたら面白くない?」1つの言葉から想像力をむくむくと膨らませて、「ねことわざ」をよりじっくりと味わえるような構成になっている。
ねこたちがたくさん登場する4コマ漫画は、当たり前のようにねこが人間と話している。お茶を飲んでいるねこなど、まるで人間のような立ち振る舞いをしているのだ。その現実離れした世界観が不思議で、シュールな雰囲気もあり面白い。
本書は子どもの国語の勉強にもってこいだ。想像力を働かせて読むと、慣用句やことわざの意味がぐっと頭に入りやすくなる。暗記が苦手な人でも、きっと楽しく覚えられるだろう。親子で一緒に読み進めれば、大人も知らなかったことわざを新しく知ることができるかもしれない。ねこを通じて日本語の面白さを再発見できるのだ。 ねこに関係する慣用句とことわざだけではなく、ねこの種類まで学べるのが他の学習マンガとは異なる点だ。「サバねこ」「トラねこ」「ハチワレねこ」など、どんな特徴を持ったねこなのかイラストつきで解説してくれる。出てくるねこのイラストがどれもかわいらしく、一目で色や模様の特徴が分かる。ねこの雑学とあわせて、お気に入りのねこの種類を探してみるのもいいだろう。