“福祉施設”なのに業界最高水準の焙煎機を扱う「ロースタリーカフェ」。上野駅構内にも進出、焙煎士のプロを目指す
「もう障がい者って言わないでもらえます?」
2024年3月には上野駅構内にコーヒースタンド「ソーシャルグッドロースターズ エキュート上野店」がオープン。営業時間を8時~22時までと一般的なコーヒーショップの営業時間と同じにしたのも、いわゆる「福祉施設がやっているコーヒーショップ」という見方で終わらせたくなかったからだ。 早朝や夜まで働くことはスタッフにとって新たな挑戦で、初めは戸惑いの声もあがったというが、今では働く日を楽しみにしてくれているそう。 駅構内に店舗を設けたことで、鉄道関係者からはこんな声も。 「バリアフリーってインフラのことばかり考えていたけど、駅構内で障がいを持った方々が普通に働ける。こういったバリアフリーの形もあるのだなと気付かされました」 坂野は、わざわざ小川町の店舗にも足を運んでくれたと嬉しそうに話す。 最後には、「自分の好きなことにチャレンジしたい気持ちは、障がい者でも健常者も変わらない。障がいのあるなしに関わらず、自分のやりたいことに挑戦できる社会であって欲しい」と話してくれた。 「『ソーシャルグッドロースターズ』は“障がいのある人々の挑戦”と銘打って始まりました。 でも、最近ではスタッフが『坂野さん、もう障がい者って言わないでもらえます? 僕たち障がい者以上の仕事をしているんですよ(笑)』と言ってくれるんです。 その言葉が純粋にすごく嬉しかったですね」
那須凪瑳