折り紙でホイップクリームを作る?独自開発のソフトウェアと折り紙で無限のかたちを作り出す教授の突き抜けた発想
■ 折り紙でつくったペットハウスのすごさ ──これまでに、企業とのコラボレーションもしていたようですが、どのような商品の開発に携わってきたのでしょうか。 三谷:株式会社ヌーヴェルヴァーグさん、アパレルブランドTENTOさんと開発したペットハウスはなかなか好評だと聞いています。 ただ、折り紙の難点は量産品に向かないということです。いくらおしゃれでかっこよくても、1時間かけて折るわけにはいきませんから。 どちらかというと、一点物のアート作品のようなものを店舗のショーケースに展示する、というようなことが多いですね。 ──研究を通して実現した夢や目標がありましたら、教えてください。 三谷:やはり、誰もやっていないことをやるというところが研究の醍醐味だと思っています。 折り紙は、これまでサイエンス的な観点では日の目を浴びていませんでした。「紙を折る」ということだけですが、奥が深くて単純に解決できない。先ほどお話したように、数学的なアプローチをしても「紙」という素材であるがゆえに、完全なシミュレーションをすることは困難です。 数学的には計り知れないものと物理的なものの狭間で、何か面白いかたちのものをつくっていきたいと思っています。 あとは、私の折り紙の研究を通して「こういう研究テーマでも研究ができるんだ」ということを皆さんに知っていただきたいです。自分の興味を探求していく、自分の好奇心の赴くままに研究をする。そういうことを受け入れられる土壌ができていけばいい、と思っています。 関 瑶子(せき・ようこ) 早稲田大学大学院創造理工学研究科修士課程修了。素材メーカーの研究開発部門・営業企画部門、市場調査会社、外資系コンサルティング会社を経て独立。You Tubeチャンネル「著者が語る」の運営に参画中。
関 瑶子