トランプ次期米大統領が軍事力行使も明確に排除せずグリーンランドなどの領土獲得に向けた野心を露わに
パナマ運河の奪還も明言
トランプ氏は昨年の大統領選で再選を果たして以来、大西洋と太平洋を結ぶパナマ運河を通航する米国の軍艦や民間船舶に対し、パナマが通航料を過剰請求していると非難し、パナマ運河の管理権を奪還する考えを繰り返し述べている。 パナマ運河は、米国が1900年代初頭に建設し、1977年まで運河地帯の管理権を維持していた。その後、カーター政権下での条約に基づいて、管理権は徐々にパナマに移されていった。米国は1999年に運河の管理を全面返還した。 トランプ氏は7日の記者会見で、「我が国にとって不可欠」なパナマ運河が、「中国に運営されている」と主張した。パナマのホセ・ラウル・ムリノ大統領は、パナマ運河に「中国はまったく干渉していない」と、トランプ氏の主張を否定している。トランプ氏の発言は、香港を拠点とするCKハチソン・ホールディングスが、運河の入り口にある二つの港を管理していることを指しているとみられる。
カナダを米国の51番目の州に
トランプ氏は、カナダに対しても領土獲得の野心を露わにしている。カナダの合併を試みるつもりがあるのか問われると、カナダに対しては軍事力ではなく経済力を行使する考えを述べた。さらに、米国とカナダの国境は「人為的に引かれた線」だとした。両国の境界線は、2国間で共有する世界最長のものであり、1700年代後半のアメリカ建国にさかのぼる条約で定められた。 トランプ氏は、カナダからの自動車や木材、乳製品の輸入の増加を批判している。さらに、6日にカナダのトルドー首相が辞意を表明したことを受けて、「カナダが米国と合併すれば関税は撤廃され、税金は大幅に引き下げられる」とし、「カナダの多くの人々は(米国の)51番目の州になることを非常に歓迎している」と投稿した。 今回の記者会見でトランプ氏は、米国によるカナダ併合が実現すれば「本当にすごいことになるだろう」と述べ、「(アメリカの)州であるべきだ」と改めて述べた。