老後資金のために「NISA」で投資を始めようとした矢先、「首相交代で日経先物が暴落」というニュースを見てしまいました。何かあるたびに暴落するなら、投資なんてしないほうが良いんじゃないでしょうか…?
日経平均などは政治的なニュースで短期的に暴落することがあります。直近では9月の自民党総裁選で石破茂氏が当選したことなどを受けて株価が急落しており、株価の乱高下のリスクは、株式投資とは切っても切り離せません。 なかには「損をするならNISAをやめよう」と考える人がいるかもしれませんが、本当にその決断が正しいのでしょうか。本記事では直近の株価が急落した出来事と、株価が急落しても積立投資を続けるべき理由を紹介します。 ▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
2024年は株高で進行していたのに8月に暴落した
2023年10月26日に3万601円だった日経平均株価は、同年11月以降、右肩上がりの上昇を見せています。2024年2月は日経平均株価の史上最高値を34年ぶりに更新したり、同年3月には4万円を突破したりといった歴史的な株高になっていました。 ところが、2024年8月5日の株価は急落し、前週末4451円28銭(12.4%)安の3万1458円で取引を終える結果になりました。これは、1987年10月20日(10月19日のアメリカのブラックマンデー翌日)の3836円を暴落幅で超えて過去最大で、暴落率でもそれに次ぐ史上2番目の歴史的な暴落でした。 2024年1月から始まった新NISAの影響もあって多くの人が新規に投資を始めるなか、投資を始めて間もないこのタイミングで含み損が大きく膨らんだ人も多くいたことでしょう。 今回の暴落は、海外の投機筋がまとまった金額を先物で売却し、パニック的に売りが集中したことが原因の一つと考えられます。
石破新総裁の誕生で日経先物が大きく下落
大幅かつ急速に株価が下落するタイミングは、8月以外にもありました。9月30日の東京株式市場では日経平均株価が大きく下落し、一時的に前週末比で2031円安の3万7797円まで下落しています。 この株価急落は石破新総裁の誕生のタイミングで起こったことから、「石破ショック」などと呼ばれるかもしれません。 それまで高市氏の総裁選勝利を織り込んで株高が進行していたところ、石破氏が当選したことで利益確定の売りなどの巻き戻しが起こったことや、石破氏が掲げる金融所得税の強化といった経済政策が嫌気された可能性もあります。 このように日経平均株価を始めとした株価は、機関投資家の急な売りや政治の動向次第で一時的に急落することがあります。NISAを始めたばかりの人からすると、「これ以上株価が下がる前に現金に戻したほうが良いのだろうか」と不安になるかもしれません。