川久保玲が手掛ける“新たなカオス” ドーバー ストリート マーケット パリが5月24日にオープン
取り扱いブランドの合計数は、約150。そのうち、「ホダコバ(HODAKOVA)」や「マリーナ イー(MARINA YEE)」「デュラン ランティンク(DURAN LANTINK)」など12ブランドはDSMでは同店のみの限定になるほか、川久保デザイナーとチャールズ・ジェフリー・ラバーボーイ(Charles Jeffrey Loverboy)とのコラボレーションといった特別なアイテムも並ぶ。
また、中庭と地下のスペースではアートや文学、音楽などのイベントやコミュニティーイベントを実施する。オープン時には、中庭と地下で「パオロ・ロヴェルシのための、パオロ・ロヴェルシによる『コム デ ギャルソン』(Comme des Garcons for and by Paolo Roversi)」と題したインスタレーションと展覧会を開催。地下では、気鋭英国人デザイナーのマッティ・ボヴァン(Matty Bovan)がTシャツのカスタマイズやデッドストック生地を使った服作りなどを行う期間限定の“アーティスト・イン・レジデンス”インスタレーションも行う。将来的には、過去3年間この場所を文化施設として運営していた「3537.org」のクリエイティブな精神に則り、アーティストを招いて、その視点や展示を店舗自体に侵⾷させる取り組みも計画しているという。
“来店者が⾃ら探し出す努⼒をすればするほど満⾜感は高くなる”
川久保デザイナーは常々、来店者が⾃ら探し出す努⼒をすればするほど満⾜感は高くなると考えており、昨年の米「WWD」のインタビューでも「私の理想は、人々が自分で考えるとともに何かを感じ、自分で服を探して発見し、そして選ぶこと」と語っていた。その思いに応えるようにジョフィCEOがDSMPで目指すのは、たくさんの発見を約束することで、できるだけ多くの人々を呼び込むことだ。「一度来たことのある人が再び訪れた時に『これは初めて見た』と言ってもらえたら、それは素晴らしいことだ」とし、「人々を飽きさせず、毎回が冒険であるという感覚を失わないようにすること」を願っているという。世界中から集められたクリエイティブなファッションが混ざり合う空間には、04年に初めてロンドンのドーバー・ストリートにあるオフィスビルにオープンしたDSMのコンセプトである“美しいカオス”が息づいている。